中国からの匠が結晶した福州園            〜沖縄ちょぼ旅 BLOG 12〜

沖縄の幹線道路とも云うべき国道58号線からやや西に入った所に、松山と久米を分ける通りがあり、その一画に、緑がこぼれるように多い場所がある。片側には”福州園”、もう片側には福州園に倍する松山公園が横たわる。

福州園を囲む白亜の壁の上から高い樹林が顔を出し、緑をばらまいている。壁には等間隔に花窓のような透かし彫り窓がうがたれ、庭内の様子をうかがえるようになっている。入口では石造りのシーサーが訪問者を迎えてくれる。

入場料は無料だが入口で記帳を求められる。1992年9月開園当初は入場料300円を取っていたようだが、現在は無料。

一歩入るともうそこは小中国だった。東京の大名庭園に慣れてしまった目には、異彩を放つ中国庭園がすこぶる新鮮に感じられた。

設計から石材まで那覇市の友好都市である中国福建省福州市の手により造園されている。

庭園の造形は福州市を模しており、三山・二塔・一流を表現し四季の変化を感受できる贅沢な造りである。山などの高低変化、水の動と静の変化、草花樹林の四季変化。観る者の視点で千変万化する庭に仕立てられている。三山のひとつ ”冶山(やざん)” から流れ落ちる滝の裏にさえ、洞窟を設け砕け落ちる水のきれぎれに滝前の ”飛虹橋” を眺めることができる。

2500坪の庭園全域の隅々にまで堂、橋、塔が設置されているが、それらの細部に中国の匠の技が発見できる。堂の廂(ひさし)、門の飾り、橋の欄干を飾る石像、透かし彫り窓、石柱彫刻....挙げたら限りがない。

観光客もそこそこいるのだが一か所で混み合うこともなく、ゆっくりと自分のペースで回遊できるので2周もしてしまった。最初の一周では景観を、次の一周は上記写真にある細部まで精巧なつくりを鑑賞。2周目の終わり頃になり、気がついたことがある。東京の大名庭園と雰囲気が大きく違うのは、中国風建築物のせいばかりではなく植栽されている草花樹木がまったく違うことにも原因があると云うことである。

東京にある庭園や公園は梅から始まり藤、つつじ、牡丹など定番の花で季節を楽しむのだが、ここの庭園にある植物はまるで違うのである。

例えば黄色いラッパのような花をつける ”キバナキョウチクトウ” は温室栽培の花だが、ここでは戸外の庭園で平然と咲いている。また6月頃より花が咲き盛夏過ぎに実をつけるはずの石榴(ざくろ)がすでに実をつけているのである。亜熱帯沖縄の魅力のひとつを発見した思いだった。

”ツワブキ”という植物がある。沖縄では”ちいぱっぱ”と呼ぶらしい。花を見るより大判で艶のある葉を愛でる植物である。波打つ白壁に沿って群生している”ツワブキ”の、なだれ落ちるような葉が印象的だった。そろそろ閉園時間になる。本日のちょぼちょぼ旅も店じまいにしよう。


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