巨大な陵墓の石に囲まれて               〜沖縄ちょぼ旅 BLOG 15〜

石畳道で思わぬ道草をしたため、本来の目当てであった首里城観光ができそうもなくなってきた。首里城は夜間まで入場できるが、陽が落ちてしまうと城内はともかく城郭内をゆっくり鑑賞できないと考えたからだ。

何はともあれ石畳道での大汗で絞り出した水分を補給するため、首里城近くの小さなオープンカフェに飛び込んだ。ご主人お薦めのフレッシュな亜熱帯果物ジュースの誘惑を乗り越え、やはりここはマンゴーのかき氷をオーダーする。口中で溶けるかき氷のなんと美味いことか、石畳道での奮闘が報われると云うものだ。

玉陵(東室)の模型(15分の1スケール)

お店のご主人と話しているうちに、本日最後の鑑賞ターゲットを世界遺産にも登録されている琉球歴代の王たちが眠る「玉陵(たまうどぅん)」に決めた。首里城は近いうちにたっぷり時間をつくり再訪しよう。

玉陵は首里城から数分のところにあり、観光客もあまり多くないとのこと。そしてアドバイスもひとつ貰った。陵墓域に入場する前に必ず資料館を訪問することが最上の鑑賞方法とのアドバイスだった。

資料館は券売窓口のある建物の地下にあった。アドバイスが無ければ確実に通り過ぎている。そこには第2尚氏王朝の簡単な年譜から15分の1縮尺の陵墓の模型までが展示されており、一目で陵墓内の構造がわかるようになっていた(左写真)。


資料館(本館)を出て少し歩くと正面の門が現れ、両脇に番所の建物を従えている。門をくぐるとそこは中庭となり陵墓域への入口となる中門が見える。観光客の姿が一人もいない。陵墓にふさわしい聖域としての空気が充満していた。

中門の左脇には碑文があり、この玉陵に葬られる資格者の規定文が石に刻まれている。建造時1501年の石碑である。中門を抜けると足元には珊瑚砂利が敷き詰められ、眼前には琉球石灰岩で組み上げられた陵墓がいっぱいに広がっていた。

写真左:中門とその先の玉陵(東室) 写真右:玉陵(中室と西室)

建造されたのは350年の永きにわたって続いた第2尚氏王朝の初期、1501年である。陵墓は向って左から東棟・中央棟・西棟の3基に分かれており、歴代の王が眠るのは東室になる。近づけるのは陵墓前までなので、景観から想像を巡らすわけだが、資料館での予備知識が無ければ表層を眺めるだけに終わっただろう。

まだ観光客はひとりも訪れない。守礼門近くには人波がうねるほどの人混みだったのに...。
まったくの貸し切り状態に嬉しくなり、長居を決め込み、あいかた積みの石壁をじっくり鑑賞したり、番所を見学したりと、おかげで静寂の中、500年という悠久の昔を思い遊ぶことができた。

                      番所から景観


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