歩きで沖縄本島最南端ポイントをめざす        〜沖縄ちょぼ旅 BLOG 16〜

いよいよ今日から那覇から離れた旅を始める。しかもバスで行くのんびり旅だ。今回は南部方面に決め、本島で一番南のポイントをたずねることにした。ガイドブックによると喜屋武岬(きゃんみさき)とあるが、地図を見るとこの喜屋武岬よりやや東の荒崎という地域が最南端であることが判る。しかしその最南端ポイントまでの道が無いことも判った。やはり喜屋武岬を目指そう。

那覇バスターミナルから糸満BT(バスターミナル)行きのバスに飛び乗り小一時間ほどで終点に着いた。この糸満BTで乗り継ぎ、喜屋武まで一気に足を伸ばす。糸満BTを出発したバスは糸満ロータリーで国道331号線に乗り入れ南下して行く。しだいに鄙びた景色に変化し、ゆるゆる走るバスをその飾り気のない地色が 包み込んでゆく。

地元とおぼしき乗客を入れ替えながら走り続けたバスもようやく喜屋武のバス停に着いた。糸満BTから30分ほどの時間距離になる。降りたバス停は小さな広場にあり、幾筋もの道が町中へと繋がっている。その中から案内のあった岬へと続く道に踏み入った。ものの数分で町を通り抜けてしまい、あとはどこまでも連なる白い舗装道路。

15分歩き続けているが風景は変わらず、真っ青な空と大地の緑、そして長く引かれた一本道。ガイドブックには徒歩15分と記されているが、見渡すかぎり海岸線の気配など微塵も無い。時々観光と思われる車が何台も追い越して喜屋武岬方面に走り去る。

舗装された道は一本なのだが、いくつかの細い未舗装道路を通り過ぎてきたので間違えたかと思い始めた頃、手書きの案内板を発見(左写真)。意を強くし再び歩き続けるが、太陽のきつい照り返しが舗装道路から這い上がってくる。吐く息も熱く、まるでゴジラだ。

人家もまばらになるが、やはりあたりには、いっこうに岬に着く気配が無い。無意識に自販機を探す目。こんな人家もまばらな野中の一本道に自販機などあるはずもない。

飲み物を携行しなかった自分を呪いながら歩いていると、前に追い越して行った車が戻ってきた。岬の観光を終えての帰り道なのだろう。こちらに近づくにしたがいスピードを落としてきた。車を止め何かを尋ねるかと思いきや、そのまま走り去ってしまった。車中はカップルの観光客のようだった。

大量の発汗で体力も消耗し、いまだ目的地に到着しないため、那覇の金城石畳坂道でのひどい有様が再現されつつある。2台目の車が戻ってきたが、やはりスピードを極端に落としてすれ違って行く。決して徐行などではない。

やっと事態が理解できた。観察されていたのだ。こんな長い一本道を歩いている観光客など普通いないのである。筆者は外見からも地元ではなく訪問者であることは一目瞭然で、炎天下をただひたすらに歩いている酔狂な旅人に映ったのだろう。 車中の旅行者が行きにテクテク歩く変人を追い越し、帰りにもまだちょぼちょぼ歩いていたら顔のひとつも見たくなるのが人情というもの、何の不思議もない。 よし! カッコつけて元気に歩こう。

前方に何やら作業をしている集団が視角に入った。道路を塞ぐように伸びた樹木の剪定作業だった。早速尋ねると目的地は目と鼻の距離...遂に到着だ。これだけ苦労すると到着の嬉しさもひとしおである。

そこは断崖の上の小さな広場といった印象だった。片側には休憩所のかわいい東屋がある。その前で一台のワゴン車が旅行者のために飲料やスナックを臨時販売している。飛びつくように買い求めた水を一息に飲んだ。冷たい水が干上がった身体に沁みわたってゆく。

 喜屋武岬の崖上からの眺望

太平洋戦争末期にはこの崖上から軍人のみならず住民の多くも投身し玉砕したという。今その場所には”平和の塔”碑が建てられている。記念碑の先には東シナ海と太平洋がぶつかる大海原がどこまでも静かに広がっている。

苦労した分眺望を楽しみ充分に休憩したあと、近くの具志川城跡に向かった。もちろん帰路用の飲料は確保済みである。


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