南部の町、国道331号線を歩く             〜沖縄ちょぼ旅 BLOG 19〜

国道331号線を西に向かって歩いている。タイミングが悪く「ひめゆりの塔前」からのバスがうまく連絡しないので歩くことにしたのだ。太陽が沈むまでまだ時間があり、糸満市の南部町を少し歩いてみたかったこともある。沖縄の日没は本土に比べるとかなりゆっくりとしていて、午後7時を過ぎても十分に明るい。その7時まで時間はまだまだある。

交通量はそれほどでもないが、長く途切れることはない。国道沿いの住宅から南国の花が顔をのぞかせ、その種類の多さには驚かされる。門柱や屋根にはシーサーがどっかりと居座り、門内の入口には ”ヒンプン” と呼ばれる塀のような魔除け板が置かれている。

目にも鮮やかな朱色の建物が見えてきた。正面に琉球漆器と大書してある。店内はアクセサリーから大物の花器まで多品種の漆器で埋め尽くされていた。案内には那覇の国際通りにもお店があり、わざわざここ南部まで出向かなくとも買物が楽しめるとのこと。またこちらでは工場見学や体験学習も可能。

表に出て国道に戻ろうとした時、左手奥に古い建物を発見。しばらく眺めていたら妙に惹かれてしまい、建物の近くまで足を延ばしてしまった。屋根に掲げられた看板には「字(あざ)伊原公民館」とあり、すっかり日焼けして褪せた色が、逆に味のある深い色合いをつくっている。経年の歳月を刻み込んだ建物には風格もあり、周りからは超然として浮かび上がって見える。

建物の脇では、ゴルフ場のキャディ顔負けの日除け重装備に身を固めた ”おばー”(意味はBLOG 18 参照)3人がゲートボールに興じていた。作業休みの楽しみなのだろう。心がなごむ情景の一枚になった。

国道331号線に戻りさらに西を目指している。両側の住宅や建物はゆったりと建っており、過疎と云ってもよいくらい地肌をみせる。風景は概して変化に乏しいが、やはり前述したシーサーと花が一番の変化をもたらせてくれた。

沖縄には古くより伝わる魔除けの慣習が色濃く残っている。シーサーは代表的なものだが、前述した”ヒンプン”もそのひとつだ。門から入った正面にぶつかるように配置された”ヒンプン”は板というより一枚岩を屏風のように置く。中国では屏風を”ひんぷん”というから、ここでも中国の影響が残されている。悪い霊や魔は真っ直ぐにしか動けないという迷信を前提に入口から入れないように正面に配置するのである。もちろん外部からの目隠しの役割も持っている。

また沖縄市街の路地でよく見かける”石敢當”(いしがんとう)も魔除けのひとつである。悪霊や魔が直情型ならぬ直線型の動きをすると信じられていたので、T字路や三叉路のぶつかった家に上がり込まれないように置かれた石標なのである。
この注釈はぜ〜んぶ沖縄の人からの受け売りであるが、信頼できると思われる。 たぶん。

そうこうしているうちに二又道路に着いた。信号のところに南波平と表示されていた。右が331号線国道、左が琉球ガラス村。右は今までの歩行距離の倍する距離を踏破すると糸満市街に至り、左は「琉球ガラス村スグソコ」の看板が出ている。
躊躇なく足は左方向へ歩き始めた。

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