糸満市街 ”海人の町” を回遊              〜沖縄ちょぼ旅 BLOG 23〜

平和祈念公園で半日以上もゆっくりしたため、予定を変更し糸満に戻ることにした。糸満BT(バスターミナル)行きのバスに揺られ通り過ぎる景色を眺めているうち、糸満市街の散策を思いついた。

今まで糸満にはBTでのバス乗り継ぎしか利用していないのである。今日残っている時間で回遊するには、ほどよいターゲットだ。終点BTの少し手前になる糸満ロータリーでバスを降りた。

そこは観光色のまったく無いさっぱりとした町並みがあるだけだった。ロータリーに面した交番が見え、その背後に小高い丘がある。丘への道を尋ねようと交番に近づくと、交番のそばに裏手へと繋がる路地を発見。やはり交番裏にその高台へと昇る階段が、25m上の頂上に向かって続いていた。

頂上は公園のようにベンチや展望塔などが設営され、近所の子供や年寄りが散見できた。旅行者や観光客らしき人など皆無で静かなものである。糸満市街地を一望する高台で、四方の様子が手に取るように分かる。

昔よりある石灰岩丘陵のこのあたりは「山巓毛(さんてぃんもー)」と呼ばれ、ここよりすこし北にある「白銀堂神社」と一緒に ”漁業漁村の歴史文化百選” に選ばれた場所であった。 「山巓毛」 の名を刻んだ石碑が根元から折れ転がっていたが、荒んだイメージはまったく無く、むしろ素朴な情景を造っている。

東シナ海側にはこの位置から撮影された戦前の写真がパネルで展示されていた。戦争で焼失する前の美しい糸満の町並みが、淡色のなかで輝いていた。

この「山巓毛」は歴史的謂われも残っており、詳細は当サイトのガイドページを参照されたいが、いずれにせよ一般の旅行ガイドには載っていないので、旅行者にとって恰好の休憩穴場と云える。

ロータリーに戻り、漁港のある西の道へ入り歩いていると、面白い看板が目に飛び込んできた。「冷し物専門店 まるみつ」とある。看板をよく見れば聞きなれない”冷し物”が”かき氷”のことだと判明。理解すると同時に手が扉を開けていた。”かき氷”フリークの筆者としては当然の条件反射的反応だ。

メニューには50以上の品目があったが、定番の ”白熊” をオーダーする。

ご存知ない方に簡単に説明をすると、”白熊” とは鹿児島で生まれた練乳をかけるかき氷。
看板にあった ”みぞれ” は、残念ながら最近消えつつある色のつかない砂糖蜜をかけただけのシンプルなもの。

”ぜんざい” と書かれているが、本土で云うところの小豆(あずき)と餅入りの熱い ”ぜんざい” ではない。沖縄で ”ぜんざい” と云えば黒糖で煮た金時豆を冷し、上からかき氷をかけたものが一般的なのである。

やってきた”白熊”は写真の通りのクリスマスツリー、テーブルにこぼさず片付けるのは至難の技だった。

身体をクールダウンさせ、再び回遊へ。かき氷屋さんからすぐのところに糸満公設市場があった。午後2時頃までにはほとんどが店仕舞いとなる東京築地に較べ、ここは夜まで営業しているらしい。しかし店に尋ねるとやはり最高潮の時間帯は朝7時頃とのことだった。

目に鮮やかな魚やフルーツが沖縄であることを思い出させてくれる。肉、野菜、総菜と何でも揃う。売り手はもちろん”おばー”がほとんどで、彼女たちの大活躍の舞台でもある。菓子類も種類が多く色や形も多彩。

質問すると誠実に答えてくれ、時には客のはずの”おばー”まで参加し補完説明を加えてくれる。餅は杵など使わず手でこねて作るといった具合に教えてくれるのである。旅行者にとって、まことに有難い人たちである。
珍しい菓子を質問しながら買い食いをする。味の散策もまた楽しからずやだ。

市場入口の戻ると道路を挟んで正面に漁協の建物があった。漁協を抜けると漁港のドックへ出た。ドックは線を引いたように真っ直ぐ北に伸びていて、”ハーレー”のレース場になるのも頷けた。年一回の”ハーレー”は、海人(うみんちゅー)である糸満の人たちにとっては重要な神事の舟競漕で、この漁港がレースの会場になるのである。

だが今は風だけが水面をすべってゆく。陽が沈む寸前の東シナ海が朱色に染まってきた。平和祈念公園で始まった長い一日も終わりに近づいた。そろそろBTに向かおう。


「糸満市街」のガイドページへ


丸三冷し物専門店

住所 糸満市糸満967-27
電話 098-995-0418
営業時間 11:00〜20:00
        日曜定休
交通
 那覇空港より20分(国道331号線を南下−糸満ロータリーを右折−スグ左側
BUS 糸満ロータリー前から徒歩3分

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