日本の一番南にある名水、垣花樋川          〜沖縄ちょぼ旅 BLOG 29〜

再び南部にやって来た。那覇BT(バスターミナル)から50分ほども乗ったろうか、垣花(かきのはな)というバス停に着いた。垣花は前に訪問した本島南部東海岸の知念岬の少し南に位置している。

この場所には日本最南端の名水百選と謳われている”垣花樋川(かきのはなひーじゃー)”という湧水場がある。本日の第一番目の目標地にしたスポットだ。案内板に沿って路地を歩くが周りは民家もまばらで大自然の中に家が点在しているような地域である。

垣花城跡

途中に ”垣花城跡” があった。しかしその場所には石碑が建っているだけで、城郭跡のようなものは一切見当たらない。

記録には2500坪を超える城郭とあるが、今は郭跡のような平地に熱帯樹が繁茂しているだけであった。

そこを過ぎて、なおも行くとログキャビン風のカフェ 「風樹」 にぶつかった。


案内板に従い左へ道なりに進むとまもなく”垣花樋川(かきのはなひーじゃー)”へと下る坂道の入口が現れた。坂道は琉球石灰岩が敷き詰められ勾配も急である。両脇をガジュマルやアカギなどの樹林の葉が覆い、坂道に涼しげな木陰をつくっている。ちょうど首里金城の石畳道のような景観である。

                         坂の途中で入口方面を振り返る

坂道には1本の太いケーブルが打ち捨てられたように置かれ、延々と坂下まで続いている。後で分かったのだが、この管は湧水場から汲み上げられた水を上の集落へ運ぶ送水管であった。

分厚く凹凸のある石灰岩なので慣れないものには足元が安定しない坂道だ。また石灰岩は濡れると滑りやすく皮靴やハイヒールの使用は怪我のもとになる。

注意深く降りるうち、足元が明るくなり周りの視界が一挙に広がる。その場所は太平洋に面した山の中腹斜面にできた自然の小広場であった。

広場の小高いところに清水が音をたてながら溢れ出ている水場が2か所ある。左が女川(イナグンカー)、右が男川(イキガンカー)と呼ばれ、昔は名の示す通りそれぞれ使い分けていたようだ。

その清水が流れ込む水だまりが小池となっている馬浴川(ンマミシガー)には沢ガニなどが住みついていた。渇水の地として長い歴史を持つ沖縄では、貴重な生活用水を得られる湧水場として昔より大事に守られてきた”垣花樋川”。

  写真左:男川 写真右:垣花樋川からの眺望(中央の小池が馬浴川)

山肌から湧きだす水が単調で眠気を誘うような音を立てている。水の音には独特の振幅数が含まれるのか、気持ちを落ち着かせる効果がある。樹齢古いアカギの幹には蔦(つた)が絡み、鬱蒼とした緑の中に可憐な野花がところどころ色を添えている。

名高い観光スポットにもかかわらず施設などは一切無く、昔日の自然がそっくり残っている。沢ガニを捕まえたり水遊びに興じたあとは、水の音をBGに一面の海を眺める。のどが乾いてもふんだんの名水が目の前にあり、ペットボトル入りでない自然から直接享受できる水のなんと甘露なことか。そんな極上の時間をたっぷり味わった後、すっかり重くなった神輿(みこし)を上げた。さあ気合いを入れ直して急坂の道を登らねば...

やはり急坂の登りはかなりタイトなもどり道だった。一気には登りきれず、昔行き交った人々と同じように途中の休み石で一息入れながらの復路となった。

往路で目印になったカフェ 「風樹」 だが、トイレなど施設の無い垣花樋川へのベースキャンプとして活用できるのでご紹介しよう。全体が空間たっぷりの木造りで、内装は大きな居間を思わせる落ち着きがあり居心地がよい。テラスや2階のバルコニーなど自然とも調和し、眺望は素晴らしい。カフェとなっているが14:30まではランチもでき、もちろんスイーツやかき氷も楽しめる。


「垣花樋川」のガイドページへ


カフェ 風樹

住所 南城市玉城字垣花8-1
電話 098-948-1800
営業時間 11:30~18:00
お休み 火曜定休
駐車場 10台
交通
 BUS  那覇BTから50分(百名線39号)−バス停 「垣花」 下車5分
 車 那覇空港より 40分(国場から与那原町経由南城市を目指す−県道137号線を垣花まで)

HOME




ガイドページ


旅BLOGの記事一覧

東京おもしろ図鑑のサイトへ