地底に広がる沖縄最大の鍾乳洞            〜沖縄ちょぼ旅 BLOG 31〜

”新原ビーチ”から”玉泉洞”へと至るコースは、車で行けばものの10分ほどの距離だ。しかしバスで行こうとすると、これがやっかいなルートになる。直行するバスルートが無いため、まず百名方面へ歩いて少し戻り、百名出張所というバス停から長毛まで行き、玉泉洞線82番ルートに乗り換え終点まで行く面倒なコース。

バス停 「長毛」 前の雄樋川

手間もかかるが時間はもっとかかる。バスの待ち合せ時間が思うようにならないからだ。しかし待っている時間を有効に活動してみたら、いくつか発見や収穫もあった。

百名では「焚字炉(ふんじろー)」というものを発見した。名前の通り[字を焼く炉]で、字の書かれた不用紙を路上などに捨てず、敬意をもって処分するよう造られたものである。

4枚の石灰岩平石で組んだだけの簡素な造りで高さ1mくらいの炉だ。これも中国からの冊封使の影響によるもの。


また長毛ではバス停の前を悠然たる雄樋川が流れており、バスを待つあいだ、この川沿いの散歩がけっこう楽しめた。川のせせらぎに押されるように足にまかせてぶらつくだけの、のどかな散策である。

終着のバス停 「玉泉洞前」 に下り立ったが、停留所のある県道17号線のあたりはがらんとした風景が広がっていた。がらんとしているが殺風景ではない。「おきなわワールド」のゲートを過ぎると正面口まで整然としたアプローチがしばらくつづく。

                 「おきなわワールド」の正面口、美しく整備されたアプローチ

園内に一歩入るとがらりと空気が変わり、観光地特有の雑然とした景観の中に人が溢れかえっていた。

広大な敷地内にはテーマパークらしく、鍾乳洞の ”玉泉洞” を目玉に、”ハブ博物公園”、沖縄各地から移築した古民家集落、伝統工芸工房から”熱帯フルーツ園”まで設けられ渾然一体となっている。

観光客向けと云わんばかりの雰囲気に少々げんなりとし、一路”玉泉洞”へと急いだ。

ゲームセンターかと見紛うばかりの ”玉泉洞” 入口を通り抜けながら、秋芳洞の10分の1でも情緒がほしいなどと考えていると視界に留まったものがある。シーサーのレリーフだった。鍾乳洞内につづく回廊の壁にずらりと飾られていた。それらの表情に妙に惹かれ、見逃したシーサーを鑑賞するため入口近くまで戻ってしまった。

沖縄では門柱や屋根、路上と当たり前のようにシーサーが居座っているが、旅行者にはもの珍しいオブジェに映る。魔除けの風習として歴史が長いので、その形体やデザインなどの意匠は千変万化しており、沖縄旅行の楽しさのひとつにもなってくれる。

 玉泉洞の回廊を飾るシーサーのレリーフ

玉泉洞は全長4.5 kの鍾乳洞で、現在のところ国内7番目の長さになる。そのうちの890mだけが一般に公開されている。入口から入ってすぐのところにある「東洋一洞」が最大の見どころと云われ、広さ高さともに東洋一で美しいと案内にある。

洞内に入るとひんやりとしているが湿度が一気に跳ね上がる。鉄パイプを組み上げた階段が下方に連なっていた。薄暗がりに目が慣れてくると、淡い照明の鍾乳洞が浮き上がってきた。「東洋一洞」は確かに広く天井も20mの高さで伽藍を思わせる佇まいだ。


珊瑚を主成分にした琉球石灰岩の溶食は、他の鍾乳洞に比べ石筍の成長が速いようだ。自然が悠久の歳月をかけて創りあげたさまざまなオブジェが洞内890mに展開する。

つらら石の「槍天井」、大石筍の林立する「東洋一洞」、巨大なリムストーンの「黄金の盃」、洞壁から浸み出した硬水や湧水が溜まった「青の泉」、洞内に設けられた「古酒蔵」。

それほど歩いた感覚のないまま出口のエスカレーターに到着してしまった。身体にまとわりつくような湿気のなか、全行程を泳ぐように歩ききっていた。

玉泉洞を出ると、そこから出口まで熱帯フルーツ園、ショップ、古民家の工芸工房などがびっしりと並ぶ。出口近くで人だかりがしていたので潜り込んでみたら、なんと全身真っ白な大蛇。やや苦手なヘビだが、この錦ヘビは特におとなしく神々しい容姿をしている。思わずカメラを手にしたら、隣に立っていた女性スタッフから 「撮影は1000円、いただきます!」。

なんともたくましいではないか、やはり観光地はこうでなくっちゃ。


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