2009年10月アーカイブ

沖縄本島に来て、なぜか那覇市から北には1歩も出ることがなく3週間も経ってしまった。那覇市街や最南端の喜屋武岬などをうろうろしているうちに3週間である。

そろそろ北へと考えたが、北方面があまりに広すぎてどこから手をつけたらいいのか正直迷った。一度は最北端の辺戸岬(へどみさき)をと決めたのだが、バス便がいっさい無くレンタカーかタクシーを利用するしかなかった。いずれはレンタカーを利用するだろうが、今しばらくはのんびりとした ”ちょぼちょぼ旅” をつづけたいので最北端の旅は後回しにした。

まず手始めに選んだのは本島中北部にある恩納村(おんなそん)の海岸ラインを国道58号線沿いに歩くコースだ。恩納村の一番北東の端は名護市と接する。そのあたりから恩納村の海岸線を西南へ真栄田岬(まえだみさき)あたりまで歩くという、つまり恩納村の海岸線を横断するコースである。直線距離にして約17キロにおよぶ。


透明度抜群のブセナリゾートのビーチ

恩納村の海岸線には、美しいビーチリゾートが集まっているとの評判が高い。

しかし17キロもあるので何日にも分け、バスで乗り継いだり飛ばしたりしながらの ”ちょぼ旅” になりそうである。

今日はそのいいかげんな北旅行のスタート日なのである。

名護BT(バスターミナル)行きのバスに飛び乗り、1時間30分揺られて降り立ったのは”ブセナリゾート前”という停留所だった。

バスの運転手さんにせかされるまま、慌てて降りることになってしまった。


実はバスが空いたとき、前の方に座席を変えながら恩納村と名護市の境あたりで降りたい旨を伝えてあったからだ。


降りた停留所で地図をチェックするとたしかに名護市に入ってすぐの位置であることが確認できた。停留所の近くに石灰岩を積みあげて造られた「BUSENA RESORT」のネームプレートを発見したが、少しよそゆきの顔をしている。

ゲートにはセキュリティースタッフが居たが、軽く挨拶程度の会話のあと無事通過。リゾート地域内はよく整備された道やモールがあり、ほどよい高級感が漂っている。

広場の噴水を過ぎると浜辺に出た。透明度抜群の海面で光が踊っていた。太陽の照り返しが、水面からではなく透き通って見えている砂底から跳ね返っているかのようだ。

部瀬名岬(ぶせなみさき)の遊泳ビーチ

浜辺の右手に目を移すと岬の先端部まで見通すことができる。その先端部から沖合に向かって細い渡り廊下のような橋が架かり白い灯台のような塔へとつづいていた。なるほどビーチリゾートらしい景観を見せている。

小さな岬ながら先端までは300m以上の距離があるだろうか。歩き始めると折しも小型観覧バスが通りかかった。誰も乗っていないことを幸いに運転者に話しかけたら、無理に止めることになってしまった。

                           リゾート内を周遊するシャトルバス

岬の先端まで行くと云うので、乗せてもらうことにした。リゾート内を周遊している無料のシャトルバスだという。なるほど砂浜の内側にはバスが通れるほどの舗装道路がぐるりと敷設されていた。

この部瀬名岬は沖縄唯一の海中公園で、その岬がまるごとブセナリゾートとして開発されたらしい。

「ザ・ブセナテラス」という高級リゾートホテルを中心に、周りには美しい海中景観を楽しめるような施設やサービスが充実しているようだ。岬先端までのんびりと走るバスの中で教えてもらった情報である。

先端に着くと、そこには海側へ張り付くように「ランブルフィッシュ」という名のレストランが建っていた。

ホテルが経営するそのシーフードレストランだが味のほどは判らないが、絶景に囲まれて食事ができることだけは明らかだ。


そして先端にはもうひとつ施設があった。遠くから見えていた渡り廊下のような長い橋の先の白い塔である。それは灯台ではなく、海中公園の景観を鑑賞できる海中展望塔だった。

海底に展望室を備えるその白い展望塔に入るべく、沖合に向かって真っすぐに伸びた海の渡り廊下を歩き始めたのだが、途中で何度も立ち止まってしまった。

足元に見える橋脚を洗う透明なさざ波や小魚の群れ。太陽と水が混ざり合う瞬間の輝き。石を組み上げた堤防でベビーカーを押す女性のシルエット、眼前に生成される何枚もの絵に陶然となってしまった。

云わば両側に絵の架けられた美術館の回廊のようなものを想像されたい。しかもこの海の渡り廊下は170mもつづく。立ち止まらない方が不自然なのである。

「ブセナリゾート(海中公園)」のガイドページへ

浜辺から沖合へ170mほど突き出た細い橋に、海中公園の白い展望塔がある。展望と云っても海上の景色を観るのではない。塔の建つ底部まで降りて海中景観を展望するのである。

灯台のような塔の入口で利用料を払い、塔内のらせん階段を降りる。4m近く階段を下ると丸窓のある狭い空間の底部に着いた。

この日の窓外はやや濁りはあるものの海底を泳ぐ魚や生物を観察するのに支障はない透明度だった。この海中景観の透明度は季節や天気で大きく変化するという。

潜水艦のような丸い窓からの景観  泳いでいるのはタマン(ハマフエフキ)という名の魚

塔をあとにしてビーチに戻り、しばらく海岸ラインを散策する。海岸沿いに記念碑がひとつあった。「1981年第8回ウィンドサーフィン世界選手権沖縄大会開催記念」とある。そういえばこのブセナリゾートにもうひとつ国際的な催しがあったと説明板にあったのを思い出した。


ホテルに隣接する「万国津梁館(ばんこくしんりょうかん)」と名付けられたコンベンションセンターは、2000年九州・沖縄サミット首脳会合の議場となったところである。

各国の首脳が滞在したリゾートホテル「ザ・ブセナテラス」にもあとで立ち寄ってみよう。

遊泳ビーチと海中展望塔の間に桟橋があり、グラスボートが発着している。やはりこれも海中景観を楽しむ方法のひとつとして設営されたものだろう。

最初は乗る気が無かったのだが、桟橋に出てブラブラしていたら潮の香りと風が心地よくふらふらと乗船切符を買ってしまった。

船を慕うようについてくる魚群がガラス底から観察できるが長く見るほどのものでもない...が、シンプルに東シナ海を疾走するクルージングは爽快このうえない。沖縄海岸国定公園でもあるこの周辺の海域は美しく、部瀬名岬の全景をたなごころにできる。

疾走する船の中空に舞い散る水しぶき(左) 桟橋に着くグラス底ボート(右上) ガラス底に見える魚群

クルージングですっかり童心に戻ってしまったようで、ボートを降りたあとも浜辺の水遊びに興じてカニや小魚を追いかけまくってしまった。そして木陰で寝そべって持参した文庫を読みながらひと休み。

顔の上を滑る風が少しづつ汗を持ち去ってくれる。気がつくと10分ほど眠っていたようで目を開くと....白い大きな雲。

「ブセナリゾート(海中公園)」のガイドページへ

冷たくおいしそうなアイスティーが運ばれてきた。窓から射し込む強い陽射しがジリジリと白いソファを焦がしているように見える。

「ザ・ブセナテラス ビーチリゾート」のホテルを訪問し館内を軽く廻ったあと、3階にあるこのティーラウンジの「マロード」に落ち着いたところである。


ホテルの正面玄関は海の反対側からになる。

そして正面から入館したメインロビーは本館の4階部にあたり、その中央部から北と南の両翼に客室棟が伸びる。

特に北への客室には渡り廊下の先にクラブラウンジがあり、アッパークラスのゲストのみが利用でき客室へとつながる設計になっていた。


最近ではすっかりクラブフロアを設けるホテルが世界的に普及しており、おおよそはペントハウスの最上階が充てられていることが多い。

こちらのホテルの北棟は岬先端方面であるため3方向が海という絶好の立地で上位クラスの部屋を用意するのも当然といえる。同じ北のエリアには贅沢なコテージまで備えていた。

メインロビーを突っ切ると海側を見下ろすテラスになり、一気に視界が広がる。プールは1階と2階に分かれており、時間帯により変化する日差しを好みのポジションで広く選択できる。

4階テラス(左) 2階プール(右)

また荒天でも泳げるように、そこそこの大きさの室内プールまで備えている。ホテル西側の前面には真っ白なビーチが広がり、専用ビーチのようにパラソルが並ぶ。そして海を満喫できるようビーチにはマリンハウスやビーチショップが何ヶ所もありサポート体制も完備。

リゾートホテルの良し悪しの基準は人それぞれにあると思うが、”上質な高級感”、”穏やかな精神を醸成するゆとりの大空間”、”従業員のトップクラスのホスピタリティ”そして”立地環境の景観”という条件は万人が求める共通要件と云える。

高級リゾートホテルに滞在する場合、観光よりも避暑やリラクゼーションに重点が置かれるので、ホテルからわざわざ外出しなくてよいほどの魅力がなければならない。

Busena-Terrace3_blog.jpg

筆者は、ハワイのマウイ島へ飽きもせず毎年出掛けていた時期があった。「カアナパリ」「ラハイナ」「キヘイ」など毎回地区やリゾートホテルを変えていたが、最終的には「ワイレア」で落ち着いた。その大きな理由が上記の要件を満たしてくれたのがワイレアの地とホテルであったからだ。

ちなみにホテル内の食事だけではやはり飽きてしまうので、夜の食事だけは夕景の海岸線をドライブがてら近隣の地元レストランまで出かけて楽しむパターンができてしまった。沖縄旅行が今回まで遅れたのもこのワイレアが原因だったかもしれない。

さて「ザ・ブセナテラス ビーチリゾート」の話にもどる。従業員の応対や設備・備品からおおよその見当がつくものだが、ワイレアにあるトップライナーのホテルと同質の匂いを感じたというのが素直な感想であった。

宿泊もせず食事すらしないのになぜホテルを訪問するかというと、近い将来”観光”でなく、”避暑”目的での再訪を目論んでいるからだ。これからいくつかのホテルを訪問するだろうが、ここは間違いなくホテル候補のトップライナーである。


「ザ・ブセナテラス(ホテル)」のガイドページへ

ブセナリゾートをあとにして国道58号を海岸沿いに行く。今日は午前中も早くからスタートしたのだが、ブセナリゾートでゆっくりしすぎてすっかり陽が高くなっていた。

沖縄本島でリゾートビーチがもっとも多いという恩納村(おんなそん)のコーストラインを北から南下する予定だが、今日はどこまで歩けるか...

部瀬名の海岸を離れるにしたがい浜辺には小岩が目立ってきた。リゾートのビーチは整備する過程で珊瑚などの白砂を敷いたりして本来の海岸線は隠れてしまうので、この景観が本来のものかもしれない。

1キロほど歩くと右側に「かりゆしビーチ」の案内が見えてきた。

遊泳ビーチとして一般に開放されている施設だが、58号線より山側に建てられたホテル「沖縄かりゆしビーチリゾート・オーシャンスパ」「オキナワ マリオット リゾート&スパ」のゲスト用ビーチとしての機能も兼ねた遊泳ビーチ。

宿泊客は無料だがビジターは遊泳有料になっていた。遊泳施設やビーチ景観など、総じて標準装備のリゾートビーチといった印象であった。

ここでは長居せず、すぐに南下の旅をつづけることにした。しばらく歩くとギリシャ建築のような威風堂々とした建物が右手の海岸側にあらわれた。近づくと幸福の科学、沖縄正心館ということであった。なぜか宗教団体の建物は立派なものが多い。宗教団体の館のせいか、確実にまわりの景観 から浮いてしまっている。

場違いなほど豪勢な建物

その建物の背面がすぐ浜辺のようだったので、回り込み海岸に出てみた。

砂地に降りると沖縄では「ハマカンダー」と呼ばれる花が咲いていた。一般には「グンバイヒルガオ」の名で知られ、見るからに涼しげな青紫の花をつける。

花を一見すると、か弱い印象だが、タネは黒潮に乗り分布を広げるという種の保全のためには波乗りも辞さぬたくましいワンダーフラワーである。


浜沿いにしばらく南下すると小さな河口に突き当たってしまった。

泳いで渡るほど深くはないが裾まくりで渡れるほど浅くもない。なんとも半端な河口だが、小生物の観察や水遊びには手頃なポイントであった。また道草である。

ここで観察記をリポートすると BLOG の2回分くらいになるので割愛するが、これだけは云える。沖縄に生息する生物の豊富さは東京で見られるものの比ではないということ。

Onnason-coast4_blog.jpg

河口をうかいするため一度国道58号線に戻りしばらく南下したが、陽射しがいよいよ強くなっていた。強烈な舗装道路の照り返しがサングラスをしていてもまぶたに微熱を感じるほどだ。頭からは湯気が上がっているに違いない。

水遊びのときは苦にもならなかった太陽が、単調な道歩きになると途端に苦の対象である。ほんとうに人間とは困ったものである。

地図を見ると、このあたりはすでに伊武部(いんぶ)の海岸に属しているようだ。国道と海岸の間にずっと林がつづいているので、ふたたび海岸へ出るためと直射日光を避けるために林に入った。

陽光の中から樹木の下に踏み込むと、皆既日食のようにまわりが真っ暗に。サングラスをとってもその暗がりに眼がなれず足元ばかりをを見て歩いていたら、突然 龍が目の前に現れた。

打ち捨てられたように置かれたグラス底ボートだった。しかしよく見るとまだ現役の船のようで、船腹には「第三金竜」とあり、フィギュアヘッド(船首飾り)の竜が前方を見据えている。おそらく船揚げ場としてこの林を利用しているのだろう。

このグラスボートの活躍拠点は 「いんぶビーチ」 に違いない。 「かりゆしビーチ」の次のビーチへと少しだけ急ごう!


かりゆしビーチ

住所 名護市喜瀬1996
電話 0980-52-4093
    (リーフリゾートかりゆし)
施設利用料 大人500円 小人300円 宿泊者無料
施設 駐車場 1000円
 シャワー/更衣室/トイレ/売店
レンタル パラソル/サンデッキチェア/ビーチマット/ボディボード
備考 キャンプ・BBQは禁止。個人のシュノーケリングは禁止だがその他のマリンレジャーは許可されており、スクールも有
交通
 車 那覇空港より 80分(国道58号線を北上−伊武部(いんぶ)まで)
 BUS 那覇BT 100分(名護西線20番)−バス停 「伊武部(いんぶ)」 下車3分

相も変わらず国道58号線をひたすら南へ向かって歩いている。思いのほか「いんぶビーチ」で時間をとられてしまった。ビーチの端から端まで歩いてしまったのだ。

かなり広いビーチだが距離は500mほどのものであった。浜辺に沿って歩くと小さな半島のように海側へせり出しているため58号線からどんどん遠ざかってしまう。国道58号の幹線道路に戻るために時間がかかってしまったのだ。

いんぶビーチ

「いんぶビーチ」は綺麗な海に変わりは無かったが、リゾートビーチと云うより”キャンプ”や”ビーチパーティ”向けの浜辺で”ウチナンチュ”に人気のビーチスポットのようだ。

”ウチナンチュ”とは沖縄方言なのだが定義すると難しくなるので、ここでは簡単に沖縄生まれの沖縄在住者と理解していただきたい。

浜辺のそばには防風林のように木麻黄(もくまおう)がびっしりと繁ってちょうどよい木陰をつくっており、バーべキューやパーティにはお誂えむきの浜辺空間だった。

当然旅行者も訪れるらしく、58号線から車で入れる入口の周りがまるで観光地のように派手で土産ショップまである始末。ちなみに施設利用は駐車場込みで大人500円と有料。

「いんぶ(伊武部)ビーチ」とあるが、住所は名嘉真(なかま)となっている。

この日最後に訪問したところで聞けた情報によると、「いんぶ」はもともと「印部」と書き、地区の境界線に置いた標のことらしく、標のあった場所すなわち名護と恩納村の境あたりを指す場所名を「伊武部」と表音転化し残ったという。名護と恩納村の境というと、先ほど通ってきたお隣の「かりゆしビーチ」あたりである。

そして、その名嘉真地区をまだ脱出できず、58号線を犬かきをするように歩きつづけている。海岸線から離れて内陸へと切れ込んだ国道ばかりを歩くと、変化が無いせいか飽きてしまう。ちょうどそんな時、国道がふたたび海岸に寄り添うように近づいた。

さっそく浜辺に降りたかったのだが、浜辺へ降りる階段や道が見当たらない。しばらく海を眺めながら浜から吹き上げる風に押されるように歩く。

ありました! 浜辺行き下り階段。ふだん降りる人がいないせいか、なかば雑草に蔽われてしまったコンクリートの階段だった。

降りたった名嘉真の海岸は、白砂の中の個性的な岩礁がよい添景になっていたり、海に注ぐ河口部があったりと変化に富んだ表情を見せる浜辺である。

河口部にはいくつもの橋が架かっているが、水量が少なく橋の下をくぐると川上へと探訪できる。浜辺の岩礁まわりも観察すると面白く、海の色までトルコ石のように緑に染め上げられ輝いていた。

ここの海岸はへたな遊泳ビーチより何倍も味わいがあり、個人的には気に入ったビーチポイントのひとつになった。

ふたたび58号線に戻ってしばらく歩くと、安富祖(あふそ)という地区に入った。安富祖の海岸線には「ミッションビーチ」、「熱田(あった)ビーチ」、「みゆきビーチ」と3つの遊泳ビーチがある。

「ミッションビーチ」は国道沿いにある無愛想な鉄製ゲートから入るようになっているが、浜辺まで出るとまるでアメリカン仕様と云わんばかりの洒落たビーチだった。整備の行き届いた芝生が広がりその先は白砂のビーチが海までつづいている。

200mほどのこぢんまりしたビーチだが、パラソルのあるサンデッキテラスや駐車場まで芝生を敷き詰めるなど他の遊泳ビーチにはない雰囲気で、いたって居心地の良いマリンアクティビティ・スポットだった。

「熱田ビーチ」は飾り気のない自然のままのビーチ。施設も規制も何もない、素朴な浜辺が横たわるばかり。

「みゆきビーチ」はホテルみゆきビーチのプライベートビーチである。このあたりの58号線は海面より見上げるような高度を通っており、国道沿いに建つホテルからそのビーチを見下ろす地形になる。宿泊者以外は施設利用料500円で利用可能。大家族向きの標準装備ビーチといったところか。

ミッションビーチ(左) 熱田ビーチ(中央) みゆきビーチ(右)

みゆきビーチを離れると、国道はまたもや内側へと食い込み海岸線から遠くなっていった。ふたたび暑さを我慢する単調な道行と思っていたら、肌の表面をちりちりと焦がすように強かった陽射しがかなり衰えていた。顔にあたる風にも穏やかさがもどり日没を予感させる。

30分近く歩いているが次の地区になる瀬良垣(せらがき)にたどり着かない。安富祖地区に入ってからほとんど休まず歩きつめているので、さすがにアゴを出す状態になってきた。


そんな時、視界に入ったのが歩道にデンと置かれた石造りのシーサー。対になったシーサーを見てると喝を入れられているようで、バテ気味な身体に少しだけ元気が出てきた。

やっと瀬良垣地区に入り、海岸に再会できた。陽の傾きも確実に感じられ、そろそろ今日も旅仕舞いの時刻が近づいている。

瀬良垣の国道をしばらく行くと、朱色に塗られた楼門が前方に見えてきた。守礼門とそっくりの門にしているのは「御菓子御殿」という観光客向けの沖縄銘菓店だった。

水分補給と休憩にと入店し、喫茶パーラーへ直行した。結局かき氷で水分補給をする。

かき氷をつくってくれた”オバー”がとてもいい人で、2杯目をオーダーすると大盛りにしてくれた。それをしおにヨタ話(筆者は世間話のつもり)に花が咲き、奥行きのある多くの情報を得ることができた。

そのひとつに、この「御菓子御殿」の裏の浜が「ダイヤモンドビーチ」だと教えてもらった。危うく通り過ぎるところだった。さっそく外へ出て浜辺へのアプローチを探すと、駐車場の脇に浜辺に降りる階段を発見。個性的岩礁を添景にした名嘉真の海岸に似たビーチだった。

御菓子御殿の入口楼門(左) ダイヤモンドビーチ(右)

ここからさらに南に下れば「ブセナリゾート」に並ぶ「万座ビーチ」そして名勝「万座毛」があるが、着く頃には日没を迎えるに違いない。恩納村の旅のつづきは後日再開するとして、今日はこのダイヤモンドビーチで夕暮れを迎えることにした。さて、アダンの木陰でも探そうか。


いんぶビーチ

住所 国頭郡恩納村名嘉真2173
電話 098-967-8222
施設利用料 大人500円 キャンプ700円 (駐車料含む)
施設 シャワー/更衣室/トイレ/売店 駐車場 (300台)/宿泊用トレーラーハウス有
レンタル パラソル/ビーチマット
備考 キャンプ・ビーチパーティ・BBQはOK。マリンスポーツは禁止
交通
 車 那覇空港より 95分(国道58号線を北上−いんぶビーチまで)

 BUS 那覇BT 115分(名護西線20番)−バス停 「伊武部(いんぶ)ビーチ前」 下車1分


ミッションビーチ

住所 国頭郡恩納村安富祖2005-1
電話 098-967-8802
施設利用料 大人300円
施設 シャワー/更衣室/トイレ/売店 駐車場 300円(100台)
備考 個人のシュノーケリングは禁止。シュノーケリングツアー・ダイビングツアー有
交通
 車 那覇空港より 90分(国道58号線を北上−バス停「熱田」を過ぎてすぐ左側)

 BUS 那覇BT 110分(名護西線20番)−バス停 「黙想の家入口」 下車5分


熱田ビーチ

住所 国頭郡恩納村安富祖1848
電話 098-967-8859
施設

シャワー/トイレ 駐車場 700円(18台)

交通
 車 那覇空港より 90分(国道58号線を北上−熱田まで)

 BUS 那覇BT 105分(名護西線20番)−バス停 「熱田」 下車スグ


<

みゆきビーチ

住所 国頭郡恩納村安富祖1583-2
電話 098-967-8031
施設利用料 大人500円 宿泊客無料
施設 シャワー/更衣室/ロッカー/トイレ/売店 駐車場 無料(70台
レンタル パラソル/デッキチェア/ビーチマット
備考 シュノーケリングは可。マリンレジャー多種。ホテルみゆきビーチのプライベートビーチ
交通
 車 那覇空港より 85分(国道58号線を北上−バス停「安富祖」を過ぎてすぐ左側)

 BUS 那覇BT 100分(名護西線20番)−バス停 「ホテルみゆきビーチ前」 下車スグ


ダイヤモンドビーチ

住所 国頭郡恩納村瀬良垣100
電話 098-966-1200 (恩納村役場)
備考 「御菓子御殿」の裏に位置したビーチ。館内での買い物もしくは飲食の際、駐車・トイレなど利用可。遊泳は可だがその種の施設がないので自己責任で。
交通
 車 那覇空港より 80分(国道58号線を北上−瀬良垣まで)
 BUS 那覇BT 95分(名護西線20番)−バス停 「瀬良垣」 下車3分

ミーバイの煮付けが旨かった。本土ではハタの名で知られた白身の美味しい魚だ。少し大きいミーバイを選んだがペロリと平らげてしまった。

この食堂の味付けは濃からず薄からずで白身の旨さを引き立てる仕上がりだ。ここは牧志公設市場の2階食堂である。この市場食堂は2回目の訪問だが、ますますクセになりそうな予感がする。(料理の写真はBLOG 34 に掲載)

今日は2時間ほどしか自由時間が無いので、食後の運動を兼ね那覇市街のこの近場を探索することにした。地図を眺めながら、前回このあたりを訪れたとき行けなかった「崇元寺石門」に決める。

国際通りを牧志公園まで行って、あとは安里川に沿って少し下れば着く。ゆっくり歩いても30分もかからない距離だ。

安里川に架けられた橋をわたると道沿いの白い石門が見えてきた。中央に三連の切石積みアーチ門。その門を支えるように脇に伸びた<あいかた積みの石垣。

歴代の王を祀った菩提寺「崇元寺(そうげんじ)」の第一門である。門そばにある説明碑によるとこの崇元寺は戦争で全焼し、この石門の東脇に建っている下馬碑(馬を降り礼をとるよう指示した碑)だけが戦災を免れたとある。

そして石門だけが再建されたが、建物は復元されず現在に至っている。しかし創建が1527年というから、この地はまがうことなく500年近くの星霜を越えてきた霊廟地である。

アーチ門の中に足を踏み入れると表の喧騒がふっと遠のく。そこにはガジュマルの木と7段ほどの石階段があるだけの簡素な広場。地図には崇元寺公園とあるから公園なのだろうが、らしき設備もないうえ、今は誰ひとりいないせいかガランとした空地の印象である。

時に置き忘れられたような空間が広がるばかりだが、なぜか心落ち着く場所でもある。1歩出れば交通量の激しい県道なのだが、不思議なほどに騒音が届いてこない。もの静かな木陰にいると、ありし日の典雅な堂宇や荘厳な霊廟が偲ばれる。

崇元寺石門は駆け抜けて観るような観光場所ではなく、立ち止まってはじめて味わえる旧跡だった。

崇元寺石門
−そうげんじいしもん−

住所 那覇市泊1−9−1
電話 098−868−4887
見学 鑑賞自由
交通
 ゆいレール 牧志駅・美栄橋駅より
         徒歩10分
 BUS バス停 「崇元寺」 下車スグ
 車 那覇空港より 25分(国道58
    号線北上−泊交差点の信
    号を右折し県道29号線に入る
    −直進し左手)



ガイドページ


東京おもしろ図鑑のサイトへ