2009年11月アーカイブ

ビーチリゾートが多く集まる恩納村の海岸線。その海岸線のブセナリゾートから瀬良垣までを歩いたのはつい先日のことだった。今日はそのつづきを始めようというのである。

地図とにらめっこしながら本日の第一歩を万座ビーチに決め、一路バスに乗り万座の海を目指した。海沿いに走る国道58号線もこれで2度目になるが、景色をゆっくり眺められるバスの旅も悪くない。

バス停「万座ビーチ前」からすぐにビーチ入口にアクセスできた。入口はビーチというよりホテルの駐車場へのゲートのようである。

万座ビーチとホテル「万座ビーチリゾート」の全景

ゲートをぬけると左の西側が浜辺になった小さな岬であることが見て取れる。

その岬の先端部に建つ白色の大きな建物が「万座ビーチホテル&リゾート(2009年4月にANAインターコンチネンタル 万座ビーチリゾートとしてリニューアル)」で、立地環境が「ブセナリゾート」に酷似している。ゲートから入るとかなりの敷地の駐車場が前面に広がっていた。

駐車場をうかいしながらホテルの敷地内にはいるといきなりチャペルが現れた。チャペルを眺めながら回り込むと、今度はパターゴルフのハーフコースが出現した。このホテルはウエディングからゴルフまで何でもこなすらしい。

ゴルフコースをたどりながら歩いて行くと、左手にビーチと桟橋が見えてきたので一気に浜辺へ急いだ。浜へ出るとビーチラインは桟橋を挟み、まるで景観の違う浜辺が両側に展開していた。ホテル方面は整備されたのか白砂のビーチが250mも連なり、反対側は原風景なのか小岩がごろごろしたやや殺風景な海岸線に見える。

               桟橋からホテルとは逆の恩納村海浜公園に向かう海岸線

眼前の海は青色の濃淡をつけながら対岸に見える石灰岩の岸壁を越えてどこまでもつづいている。

海面から隆起したような岸壁が、これから訪れようとしている「万座毛」に違いない。

海上から20mはあると思われる岩礁で、長い歳月の侵食で個性的な形状に彫り上げられていた。

桟橋そばのビーチハウスで面白いものを発見した。マリンアクティビティーの案内や申込のサービス設備なのだが、その中に”スクーバBOB”という水中バイクがあった。まるで007の映画に登場しそうな乗り物ではないか。眺めているうち本気で試してみたくなったのだ。

ちょぼ旅を決め込み水着ひとつさえ持参しない気軽な旅装ながら、場合によってはビーチショップで買い求めるくらいの根性で係員を質問ぜめにしたのだが、結論から言うといくつかのハードルがあり断念。

別れ際に係員が言ったものだ、「この水中バイクは沖縄でもここしかないんです!」 心の中で思わずつぶやいていた、「So what ?」

Manza-beach3_blog.jpg

万座ビーチ(左) ホテルのビーチサイドプール(右)

遊泳ビーチを経由してホテルに着いた。大した距離ではないが、ホテルの建物から遊泳ビーチまでが少し離れていた。そのためかプールをふたつ設置していた。遊泳ビーチそばの”ビーチサイドプール”とホテル1階にある”ガーデンプール”だ。

ホテル内部は吹き抜けになっており、9層の客室フロアがコロシアムのように取り囲み、内部全景が眺望できるガラス張りエレベーターが2基、忙しく上下動している。

造りもサービス設備も家族向けの傾向が強く、実際に客層も子供同伴の家族連れが多く見受けられた。従業員も充分なホスピタリティをもって応対しており、お子様連れの家族も安心のホテルといえる。

しかし落ち着いた雰囲気のなかにも贅沢な高級感があり、静かで極上の休息時間を楽しみたい向きには、ブセナテラスの方をお薦めしたい。この万座ビーチリゾートにはチャペルからパターゴルフ、紅型教室まで揃い、メニューが多すぎるように感じた。

本当の休息に適したホテルは設備やサービスを出来うるかぎり絞り込みシンプルにしてメリハリをつけている。その方がかえって贅沢な時間を過ごせるようである。


「万座ビーチリゾート」のガイドページへ

ホテル万座ビーチリゾートを早々に退散し、ビーチ沿いに次の目的地「万座毛」へと出発した。万座ビーチの砂浜が桟橋までつづき、その先は岩場があちこちにある浜辺に変わる。そのあたりが恩納漁港海浜公園と呼ばれている。

58号線に近くなったところに恩納漁港があった。港には漁船よりもマリンクラブの船があちこちに係留してあり、この時も珊瑚礁シュノーケリングのグループがまさに出航するところであった。

恩納漁港で出航準備中の珊瑚礁シュノーケリンググループ

国道58号線に出るとすぐ橋にぶつかった。

橋むこうのたもとには沖縄特有の墓石が川に沿うようにたくさん並んでいた。

今ではすっかり見慣れた可愛いミニチュアハウスのようなお墓だ。

お墓の密集地区を横目に橋を渡ると、やっと万座毛入口の信号にたどり着いた。


信号から北へまっすぐに伸びた一本の道は、ず〜〜〜っとなだらかな上り道。

海がまったく見えない細いなだらかな上り道をただひたすら歩きつづけて15分。やっと坂道の上まで到着すると、そこは駐車場とおみやげショップが混然一体となった広場だった。

この広場の先には風光明媚な万座毛があるはずだが、静けさなぞ微塵も感じられないほど観光地然としたその軽すぎる雰囲気にすっかり出鼻をくじかれてしまった。

しかし雑然と軒を並べる おみやげ屋を抜けると、一面に緑の絨毯を敷き詰めたような草原台地に出ることができた。

隆起した石灰岩礁に自然群生するというコウライシバが、岬先端の台地を眩しいほどの緑色で塗りつぶしていた。

この草原の整備された遊歩道に沿ってそぞろ歩くと岸壁の淵へと向かう。

淵から覗き込むと海上から20mはありそうな眺望で、海が見せてくれる青というひと言では表現できない複雑で深みのある色は何にも代えがたいものであった。

自然だけが創れるアートである。


沖縄へ来て一ヶ月近くになるが、のんびりと行くちょぼちょぼ旅を心がけていると一定のパターンが生じてくる。一日の行程で一番時間をかけてしまう場所が必ず一か所はあるということ。

そしてその場所を本能的に嗅ぎ分けることができてくる。訪問時間をバランスよく振り分けることがどれほど無意味なことかが解ってくるのである。

この万座毛はそのウエイトをかけるべき訪問場所のひとつであった。

万座毛から臨む東シナ海の眺望

岬の先端域は狭くて凹凸の変化が多いというのが通常だが、この万座毛はその名が示すように万人でも坐すことができそうなほど平坦で広々としている。東シナ海の眺望が素晴らしく、逍遥を可能とするこの草原台地は中空のテラスと云える。

遊歩道を歩くだけでも様々な角度からの眺望が楽しめ、海の表情が大きく変化する。さきほどまでいた万座毛のビーチやホテルが対岸に遠望でき、全景が掌にのるほど小さくなっている。また緑の台地もコウライシバだけではなく、見たこともない植物を発見できる..らしい。

白い花弁が可憐な野菊があちこちに咲いていた。熱心に植物を観察していた初老の紳士に尋ねると、海岸崖地にだけ咲く ”イソノギク” だと教えてもらった。またこの草原地にしか群生しない花も鑑賞できると詳しく説明を加えてくれる。聞き慣れない名前をたくさん教えてもらったのだが、覚えられたのは ”イソノギク” だけだった。

たっぷり2時間以上、この青と緑が充満する中空テラスで過ごしたあと、再び南下の旅を始動させた。


「万座毛」のガイドページへ

万座毛を出発し58号線に出る道を下りてゆくと、来る時に見逃してしまった細い横道の先に石碑を発見した。

細い横道はその碑のある場所へゆくだけの専用小路だった。

小さな広場は掃き清められたように整然としており、清楚な空気が流れている。

石碑は戦没者の慰霊碑であった。広場の端には戦没者の芳名石版が建てられ、正面の石段を昇ったところに慰霊碑がある。

慰霊碑の前には真新しい花束が幾束か手向けられていた。

永い歳月、鎮魂を願う真摯な姿が誠実につづけられてきたに違いない。

慰霊碑へのアプローチは制限されていないが、軽々に接触してはならない凛とした空気感があったので、遠くから合掌し慰霊碑をあとにした。

ふたたび国道58号線にもどり、恩納村(おんなそん)の海岸線を歩くため南下を再開したのだが、この後なんと2時間もの距離を歩きつづけることになろうとは想像すらしていなかった。万座毛から約5キロ南西にある谷茶(たんちゃ)まで海岸にはまったく近づけなかったのだ。

この5キロの道程で、58号線はところどころ海岸線に出るのだが浜辺への階段や道がなく、横目に眺めながら歩くしかなかった。

端(はな)から判っていればバスを利用したのだが、のんびり旅の良否は歩き通して初めて判ることなので、これも旅のうちとしよう。

すっかり雑草に蔽われた階段から谷茶の浜辺へ

谷茶地区に着いた頃は完全にアゴを出し、倒れる寸前のゾンビのような歩きになっていた。

休もうと思えばもちろんどこでもできるが、何もない国道沿いの路肩でしゃがんで休む光景を想像されたい。

たぐいまれな美しい海岸を星の数ほどもつ沖縄にまで来て、そんな半端な休み方があるだろうか。

意地でも海岸に出るまで休まないのだ。

谷茶地区に入るとふたたび58号線が海岸に近づいてきたので、浜辺へ降りる道か階段を見逃してしまわないようにゆっくりと歩いた。

と云うよりはこの場合、速く歩ける元気がすでに失せていたと表現した方が正しい。

やっと見つけた階段はほとんど雑草に蔽われ危うく見逃すところであった。

こんな場所から浜辺に降りようという人間がいないのか、階段は荒れ放題にまかせ途中から通行不可の状態。

 

強行突破し無事浜辺に到着すると、そこはのびのびとした雑草の生えるあちこちに岩場が顔を出す素顔のままの海だった。

小さな岩をベンチがわりにしてやっと少憩を取ることができた。

水面を渡ってくる風が足元から届き、身体に何重にも張り付いてしまった汗を溶かしてゆく。

小休止のあと、浜辺づたいに南へ下ってゆくと、しだいに余所行きの顔をしたビーチに変わってきた。

白い砂が7、800mも長大に広がる谷茶ベイビーチのエリアに入る。

ビーチ沿いには大きな教会を備えた 「リザンシーパークホテル谷茶ベイ」が建っていた。


さっそくホテル内を廻ってみたが、最大の特徴はオキナワ・ウェディングに重点をおいた設備が充実しているところだろうか。教会やチャペルに加え、披露宴用の設備が屋内外に完備されていた。

ホテル全般の印象は標準のひとこと。ビーチサイドのリゾートホテルとしては癖が無く、あまりにアベレージで可もなく不可もない。

早々に次の地を目指して出発した。

ビーチに面した大きな教会(左) ホテル前ビーチ(右上) ホテル正面(右下)


谷茶ビーチ

住所 国頭郡恩納村谷茶

電話 098-966-1202
   恩納村商経済観光課

施設 なし

交通
 車 那覇空港より 70分(国道58号線を北上−富着まで)

 BUS 那覇BT 80分(名護西線20番)−バス停 「谷茶」 下車5分


いきなりだが水質検査のことから始めたい。筆者は東京在住なのだが、水辺好きがこうじてここ沖縄まで来ている始末。東京の隅田川が汚染されてから久しいが、しだいに回復してきたことを心から喜んでいるひとりでもある。

ときどき隅田川再生に尽力するNPOのエコボートに便乗したり、たまに水質検査用の透明な筒に入れた隅田川の水を覗き込んだりもするのだ。

最高水質のAAを誇るサンマリーナホテルのビーチ

だから水質検査という言葉を聞くと過剰な反応をしてしまう。

ここ恩納村の富着(ふちゃく)にあるサンマリーナホテル前のビーチは最高の水質だと云う。

毎年ビーチ開設には海開き前の5月頃水質検査を実施し、県ごとに報告するようになっている。

AA、A、B、Cの4段階でこれ以下は不適とされる。

このサンマリーナのプライベートビーチはAAにランクされていた。


平たく云うと、透明度1m以上、油膜や大腸菌群は一切無し、など厳しい基準をクリアしているということだ。日本にもこんな海があると思うと嬉しくなってくる。


プライベートビーチは人工整備されており、外海からの波を防ぐためか、小島のような堤が造成され遊泳者が安全なように内海が形成されていた。そしてその堤が海上遊歩道のように散策できるのである。さっそくぐるぐると廻ってみたが最高に心地よい海上遊歩となった。

屋外プールがプライベートビーチに接するほど近くに造られており、すぐ移動できるので使い勝手がよさそうだ。しかも広々と解放されたプールなので海岸線のパノラマ眺望が楽しめる。

ホテル周りの敷地内には鮮やかな緑色の芝が敷き詰められ、同系色のモスグリーンの”水”を湛えた池が大きく横たわる。

ホテルに足を踏み入れると内部は吹き抜けになっており9階上部まで見通せる。

1階のメインフロアの中央には一面 ”水”を張ったレイアウトのティーラウンジがあったのでひと休みすることにした。

このサンマリーナホテルは、いたるところに”水”を配した親水イメージのあるリゾートホテルだ。


運ばれてきたジュースのグラスから、氷をひとつ頬張りながら地図を取り出して眺める。先ほどまでいた谷茶ベイの「リザンシーパークホテル」から歩いてもすぐのところにある「サンマリーナホテル」だが海岸線の趣はかなり違う印象である。

このまま南下をつづけると先には富着ビーチ、タイガービーチ、ムーンビーチと、ビーチのはしごができそうである。そしてその先は仲泊(なかどまり)となり国道58号線が海岸線から離れ内陸部へとくい込み那覇へと伸びてゆく。陽はまだまだ高いのでなんとか仲泊まで歩けそうである。

小休止を切り上げたあと、参考のため案内カウンターよりルームレート(ルームタイプ別価格表)をチェックしホテルを離れる。

ヨットやクルーザーが係留されたマリーナ

ブセナリゾートほどの高級感や万座リゾートほどの派手な規模は無いものの、オーソドックスで落ち着いた好感のもてるホテルだ。

何よりもリゾートホテルの主役である ”海” が良く、その親水環境はかなりの高ポイント。

全室オーシャンフロントビューで、リーズナブルな部屋料は抜群のコストパフォーマンスというサンマリーナホテルだった。


ホテルを離れふたたび58号線に戻るべく歩いていると、ホテル敷地の南端に明るい陽だまりを囲うようなマリーナが出現した。

係留されている船は洒落た小型クルーザーやヨットばかり。漁業実用の船など皆無のリゾートらしい係船港で、ついついまたしてもショートブレークをしてしまった。

すっかり重くなった腰をあげ、道歩きに欠かすことのできない”i Pod”のスイッチをONにするとシャッフルで選曲されたのは「Against The Wind」。ボブ・シーガーの渋いボーカルが身体に流れ込んできた。

日暮れまでにはなんとか仲泊にたどり着かねば....ほんの少しだけ道を急ごう。


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ガイドページ


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