離島・瀬底島に架かる瀬底大橋            〜沖縄ちょぼ旅 BLOG 63〜

周囲8kmの瀬底島(せそこじま)、その人口は1000人という。

島の中央に向かって歩いてみると、住宅と住宅の間がきわめてゆったりとしている。また戸外なのに物音ひとつ無く静まりかえっている。

風防のため植樹されたフクギが空に向かって勢いよく伸び、敷地に沿って背の高い緑の壁をつくっていた。

瀬底ビーチをあとにして、島の出入り口となる瀬底大橋のある東海岸を目指しているのだが、フクギ並木が視界を塞ぐため角を曲がるたびに方向感覚を失ってゆく。



フクギ道を縫うように県道172号に出て、県道に沿って歩くうち廃屋になった家の前を過ぎた。門柱にX字型に板がくくり付けられ、内庭は雑草の天下となっている。打ち捨てられたその廃屋は風化したなかにも島の歴史が刻まれているようで、しばらく佇んでしまった。

ある役割りを終えたものが無駄なものと映るか、文化や歴史を体現するものと捉えるかは意見の分かれるところだ。

住宅など古い建築物などは、旧跡や名所の謂われでもない限りすぐに姿を消してしまうのが相場。狭いニッポンなのだからそれが現代条理にかなうのだろう。

とにかく大都会では古建築住宅以外はすぐに整地されるので、廃屋が風化にまかせるなどの風景にはまずお目にかかれない。

廃屋が忘れられたように残されている瀬底島には、揺れ漂うように穏やかな時が流れていた。

なおも県道を10分ほど歩くと、ようやく瀬底大橋がチラリと視界に入ってきた。


なぜか島から離れがたく、橋へ直行するのを変更して少し道草をすることにした。東側の海岸線をぶらつくため横道に入ると、きれいに整備された公園を発見。そしてその公園からの展望がなんとも素晴らしかった。

海峡のエメラルドグリーンを背景に白く浮き上がる橋。島に入るとき通ったのたが、バスからではその全景を見ることがかなわなかった瀬底大橋が公園の眼下に広がっていた。

招かれたルーフデッキでの眺望

下り坂になった道沿いに大きなログハウスが建っていた。

その建物の前庭が東シナ海の海峡に面し素晴らしく眺望のよい場所だった。

海面を滑るように吹きあがる風をうけながら海を眺めていると、突然建物の屋上から声がかかった。

「いい景色でしょ!」の声につられて振り返ると、2階のサンデッキから男性の笑顔が覗いている。

入り込んだこの場所、実は個人宅であったのだ。ログハウス風の建物を見て頭から飲食店か何かの建物と思い込んでしまったためだ。

失礼を詫びると、「2階のサンデッキの方が見やすいのでどうぞ」 と気さくに招いて下さった。よく冷えたお茶を頂きお話をうかがうと、ご主人は沖縄ではなく北海道の人であった。

キャンピングカーで訪れたとき、この地に一目惚れをしたという。その病がこうじて瀬底島に移り住むことを決心。ログハウスの家まで自ら造り上げたというから、やることが半端じゃない。


旅先で遭遇できた親切にすっかり気持ちも温まり、早々に辞し大橋へ向かう。

長さ762m、高さ25mの瀬底大橋は昭和60年(1985)2月13日に完成している。それまでは渡しの連絡船が往復していた。

目の当たりにした大橋は大きく遠かった。700mを超す一直線の道、足の下25mにはエメラルドグリーンの海峡が横たわっている。

瀬底島側の橋脚下は通称「アンチ浜」と呼ばれ、遊泳やマリンアクティビティーを楽しめるビーチとして人気が高い。漢字は安置と書くらしい。

瀬底大橋は歩いて渡るだけの価値を持つ橋であった。車では絶対に味わうことはできない。どんな味かと問われたら、「極上の爽快感」とだけお伝えしておこう。

アンチ浜の遠浅で一心に貝殻を探す女性の風景がまるで外国のように見えた。橋の半ばで見下ろす海峡は圧倒的でめまいがするほど美しい。洋上の散歩を可能にする瀬底大橋だった。

アンチ浜で遊ぶ女性がひとり、まるで絵画のような情景


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