4つの離島へとつづく海中道路を渡る         〜沖縄ちょぼ旅 BLOG 78〜

4750メートルもあるという海中道路の中ほどにあるロードパークでは、ボランティアによるゴミ拾いが実施されていた。

本島の与勝半島と離島を結ぶ海中道路だが、海に潜ったドームのような道路ではなく、大海原へと伸びた海上を行く道路である。

海中道路両側に広がる長大なロードパークで、黙々と手際よくゴミを処理してゆく静かな集団。一段落した頃合いに、スタッフのおひとりに労をねぎらうため あいさつをする。

護岸階段でゴミ拾いに専念するボランティアスタッフ

一緒に中央方面に戻りながら、のんびりと話をした。

この道路の無かった頃は、干潮時になると同じ位置にうっすらと道ができたという話をしてくれた。

島民は干潮時に歩いて往復をしていたのだ。

四季により微妙に変化する干満の潮も生活の一部にしていたのだろう。

引き潮になると、蜃気楼のように海上に浮かんでくる数千メートルの道。何と幻想的ではないか。


叶うならそんな道を歩きたかった..などと、肩を並べて歩く彼には云いだせなかった。

5キロに近い道程を限られた時間に歩かねばならない島民の生活は、そんな軽い思いでは計れないだろう。しかし、今ではその干潮時も地元住民の潮干狩りを楽しむ風物情景に変わったようだ。

ボランティアの一団に合流した彼と別れ、ロードパーク中央部にある「あやはし館」で ”かき氷ブレーク”を取った。

今日は橋づたいとは云え離島めぐりと決めたので、朝も早くから行動を開始した。橋つながりでも4つもの島めぐりなのである。レンタカーを利用すれば簡単なのだが、島内専用のバスがあるのだから、利用しない手はない。

この地域である「うるま市」の物産販売の「あやはし館」をさらりと見学し、2Fの「海の文化資料館」のあるウッドデッキに上がった。入場しようとしたが撮影禁止とのことで急に興が失せてしまった。

           海中道路に架かる歩道橋から望む本島の与勝半島

筆者も音楽業界に籍を置いていたこともあり、著作権や肖像権、個人情報にいたるまでその保護と防衛に関しては人一倍苦労したことがある。その反面、過剰なまでの保護があることも知った。

保護の程度は実に難しく、少なからず興味を持ち接触してきた未来の才能たちの芽を育てることも つんでしまうことも、このさじ加減ひとつなのである。

東京に「江戸東京博物館」という施設があるが撮影自由である。ただし特別展示などは厳しく撮影禁止を励行し展示作品を守るなど、そのメリハリは来館者にも分かりやすく実に見事な運営である。沖縄では首里城がそれに匹敵している。

美術館と博物館の差異やパブリックドメイン(公共)への転化なども言及したいが、ここは自制し旅をつづけることにしよう。

「海の文化資料館」前のウッドデッキから見えた歩道橋へ行きたくなり、そちらに向ってしまった。そして歩道橋からの景色は、一直線に引かれた海中道路が両側にひろがる金武湾(きんわん)と太平洋を分断し、なかなか壮観な一幅であった。

                 宮城島のトンナハビーチ

4島内だけ運行する“平安座総合バス”は旅館の送迎に利用されるようなマイクロバスだ。

このかわいいバスに乗り、「平安座(へんざ)島」へと向かった。

バスは島に入ったが、巨大な石油タンクを縫って北上してゆく。

ほとんど川幅しかない島と島の海峡を超え、次の「宮城(みやぎ)島」に入ってしまった。


あらかじめ予習していた「トンナハビーチ」がこの島だったはずなので、乗客が少ないことを幸いに運転士に尋ねると次で降りるようアドバイスを受ける。

「池味」というバス停で降り、そのビーチへと足を向けた。

海岸というよりは入り江と表現した方が正確なほど、こぢんまりとしたビーチだった。湾曲した砂浜の両端はしたたるほどの緑を溜めた樹林。とても居心地の良い浜であった。

この方面への来訪者のほとんどが、次の有名な伊計ビーチへ行ってしまうので、あまり混み合うことのない穴場的ビーチだという。

バス旅行というのは多少不便ながら、レンタカーでは得られない経験や発見をポケットに放り込んでくれる。しかし時間管理がやや窮屈になってしまうことも事実である。世の中、いいとこ取りばかりはできない仕組みなのだ。

今もそのジレンマの狭間で揺れている。心は 『飽きるまでここにいようよ』 と囁いているのだが、バス便を考えると先へと はやる気持ちになったりもするのである。

重い腰をあげ 県道10号線に戻ったが、やはり次のバスはしばらく来ない。当然歩くことは想定内だったので歩きはじめたのだが、すぐに赤いアーチの大きな橋が見えてきた。

「伊計(いけい)島」への架け橋、「伊計大橋」だった。

    周囲の奇岩が印象的な伊計大橋


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