レンタカーでついに最北ポイントへ            〜沖縄ちょぼ旅 BLOG 86〜

やんばる ロード 1

沖縄滞在も70日が過ぎようとしていた。沖縄にいられるのもあと2週間ほどとなってしまった。

また東京の友人から筆者がいるうちに遊びに来たいという電話も入ってきた。外国を飛び回っているその友人は、香港から東京経由で那覇に飛んでくるため、合流できるのはほとんど最後の1週間になるだろう。

友人は鑑賞ターゲットを世界遺産にしぼって希望しているので、レンタカーで走り回ることが想定される。つまり筆者の単独旅行はあと1週間になることも意味していた。少しだけ焦らなければならなくなってきた。

こちらの単独行動も車で回らなければならないところばかりが残ってしまっている。どうせ借りる車ならとすぐに予約した。そしてさっそく車で向かったのは、もちろん最北端の「辺戸岬(へどみさき)」である。

やんばる路への入口、「津波」の海岸

レンタカー初日のドライブ計画は本島最北端の辺戸岬を目指すこと。往路は西海岸を北上し、復路は東海岸を南下という「やんばる」の海岸ロードを一周するシンプルなプランだ。

この2カ月間バスと徒歩による旅を敢行していたので、バスの都合(ダイヤ)に関係なく出発できるのが とてもありがたくもあり新鮮でもあった。

また車なら比較にならないほど多くの場所と風景に出会えることも確かだろう。その代わり今までの”バス歩き旅”で味わえた温度感や手触り感は希薄になり遠のいてしまうのも確かだ。

ということで始まった車旅だが、この日は早朝より起き出してひたすら北へと走った。

その甲斐あって名護市を過ぎ、やんばる路の入口とも云える津波の町に入った時刻がまだ午前中だった。

この日、最初の休憩がこの津波の海岸。岩場のある磯遊びができそうな浜だった。


広義では名護市以北が「やんばる」と呼ばれるが、筆者はやはり400m以上の山麓が連なり、裾野には大自然の残る原生林が横たわる地域を「やんばる」としたい。つまり今いる大宜味村(おおぎみそん)、東隣りの東村(ひがしそん)、そして最北の国頭村(くにがみそん)の3つである。

ドライブを再開し国道58号線を北上する。視界は良好で、右は山並みと民家が、左は東シナ海が後ろへと流れてゆく。

前方に小さな橋が見えてきた。その橋の向こうには飛び島のような小島があり、その島をまたぐように長い橋が架かり道はふたたび本島沿岸沿いを北へとつづいている。

長い橋を渡ると足が自然にブレーキにかかり、道沿いにある駐車スペースへと車を進入させていた。

塩屋橋の向こうは塩屋湾(左上)、橋のたもとの洒落た休憩所(左下)、塩屋の浜辺(右)

飛び島は「宮城島」という小島であった。短い橋が宮城橋、長い橋が塩屋橋という。陸地に食い込んだところが塩屋湾だが、湾をショートカットするため飛び島「宮城島」を利用したというわけである。

海中道路でつながれた平安座島と伊計島に挟まれた島も宮城島であった。沖縄では同名の場所が複数あるので留意しなければならない。塩屋橋を渡った先には塩屋の澄んだ浜辺が漁港の方まで伸びており、遊泳ビーチにしたいくらい透明な海だった。

クーラーを止め窓を全開にして運転を再開、身体をすべる風がとても心地よかった。イヤーホンから流れてきたのは、ホール&オーツの 《After The Dance》。さすがの青い眼をしたソウル・デュオでも、やはりマービン・ゲイには かなうわけがない。フロントに注意しながらアイポッドのシャッフルボタンを押した。

ここまで北部に来ると本島の大動脈58号線といえどもガラガラである。すれ違う車も追いかけてくる車もほとんどない。たまにすれ違えば地元車ばかりだった。

                       波よけの石組がきれいな大宜味の海辺

右側に ”おおぎみ道の駅” と書かれた売店があらわれたので、涼をとることにした。

かき氷を掻き込み、さらに冷たい水のペットボトルを片手に国道沿いに広がるビーチへと出た。

真っ青な海に白い波よけの石が組まれ突き出ている。

その上を歩き先端まで行くとポツンと海の中に取り残された感覚になってくる。

そこから振り返るとゆうに1kmは超える大宜味の浜辺が迫っていた。

なおも北上をつづける。今朝運転していて再確認できたことがある。徒歩1時間で行ける距離は3〜3.5kmだが、車だと時速40kmも出せば4、5分で着いてしまう。こんな当たり前のことを再認識したのだ。

この2か月は本当によく歩いた。1kmがどれほどの距離なのか頭ではなく身体が覚えてしまった。だからこうして運転していると、過ぎてゆく風景の声や感触や匂いが両の手からこぼれ落ちてゆくようだ。

そのいい証明がある。2年半ほど米国ロスで生活したことがあったが、今でも懐かしく手に取るように想い出せる場所はサンタモニカ、メルローズなど数か所しかない。いずれも自分の足で歩き回ったところばかりである。

毎日のように車で通った大通りや街でも景色はおろか何ひとつ憶えていないのである。憶えているのはフリーウェイの番号と乗り換え手順くらいのものか。

バーチャルリアリティを何百回経験しても何も経験していないし、頭だけで判っていても実は何も判ってはいないのだ。人間とはそうした生き物だと思う。

まもなく本島では一番北の地域「国頭村」に入る。絶滅危惧種に指定されているヤンバルクイナが飛び出してくるかもしれない。気を付けて運転せねば...


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