比地大滝への森林浴コースで悪戦苦闘        〜沖縄ちょぼ旅 BLOG 92〜

やんばる ロード 7

今回もひきつづき北部へのレンタカー旅をプランし早朝より出掛けた。見学するには時間がかかるため前回パスした「比地大滝」が本日のメインである。レンタカーで楽に移動できるので、多少の体力消耗ならと、たかをくくって大自然遊歩を決め込んだのだ。

ルートは前回同様に国道58号線をまっすぐ奥間の交差点まで北上する。左はオクマビーチへ、右は比地のキャンプ場へと分かれる。信号を右折し比地へと向かった。

しばらく走ると奥間川と交わり、なおも行くとふたたびもうひとつの川に出会った。この川が比地(ひぢ)大滝から西流してきた比地川である。

                        ゲートを入ると そこはキャンプ場入口

道は比地川により添うように並んで伸びており、川に沿って走ること数分で目的の比地キャンプ場に到着した。

メインオフィスのある管理棟はログキャビンづくりである。テラス兼備の食堂にシャワーやトイレなども備えている。

ゲートで入場料を支払っていると壁に貼り出された注意書きが目にとまった。

「心臓病の方」「体力が心配な方」「妊産婦の方」はご遠慮くださいとあった。しかも赤字である。

また大きな文字で「ハブ」「ヒメハブ」に注意! その横にはご丁寧に10種くらい図解入りで、このあたりに出没する蛇の特徴が説明されていた。

自慢じゃないが、こちらは生来、頭も気力も丈夫なほうではないのだ。逡巡する身体にムチ打ちゲートをくぐった。

敷地内の最初にあったのはキャンプエリアで、テントを張るキャンプ台がそこここに設置されている。大滝までのコースはこのキャンプ場を抜けて行くようだ。

ところどころ張られたハンモックで寝ている姿がとても涼しげな風景をつくっていた。キャンプ域を出ると登り道が始まり先の方にはミニダムのような小さな堤防が見えた。

比地川砂防ダム

その堤防の近くに説明板があった。高さ10m 、幅63m のミニダムの名は比地砂防ダムといった。

近づくと堤の右岸側に細い魚道が設けてあり、この水流を 《リュウキュウアユ》が産卵のため さかのぼると書かれていた。

道はすこしづつ勾配を増しながら山の中へと入ってゆく。広かった空もしだいに狭くなり樹林に覆われてしまった。

そのあたりから道は木造りのボードウォークに変わり、かなり歩きやすくなった。

入口から大滝までの距離1.5 kほどだが、その間の道は自然道とこのボードウォークの組み合わせになる。

序盤こそ森林浴を楽しみながら歩いていたのだが、高低差の激しい行程に息が弾んできた。

ところどころにある階段も斜度が激しく、まるで ”はしご” かと思いたくなるようなしろものが出現するのである。しかも長〜いのだ。

ハンカチなどでは間に合わない量の汗が噴き出してくる。かなり肩で息するころになると東屋が現れた。そこに飛び込み ひと呼吸だけ休むことにした。休憩所はこの後に もうひとつあるのだが、バテるのを計算予測したかのように絶妙なポイントに建っている。

この東屋での小休止は、静かで穏やかで清浄な別世界だった。普段はおびただしいほど雑多な音に囲まれ生活をしている。その雑音すら気にならないほど馴らされてしまったわれわれ現代人。 無音室(無響室)というものに入ると、10分で落ち着かなくなり、30分も居れば我慢できなくなるという。

無音室はすこし極端な例だが、いずれにせよ多少の音楽や騒音の聞こえる環境の方が落ち着くものらしい。今まで漠然とそう思っていたのだが、どうやらそうでもないようだ。

                        比地大滝つり橋から上流方面の眺望

このヤンバルの自然のなかで動きを止めると、一気に静寂に飲みこまれてしまう。

しかし不安になるどころか神経は穏やかに落ち着いてくる。静寂には水のせせらぎや小動物の声などが、うっすらとかすかに含まれているからだろうか。

第1の休憩所を出るとすぐに大きなつり橋に着いた。比地川を横断する長さ50mのつり橋である。

川の右岸に沿っていた遊歩道がこの橋を渡り、今度は左岸を上流に向かって伸びてゆく。

高さも15m以上はあるだろうか、足元が揺れながら渡るつり橋も一興。

つり橋を渡りしばらく歩くと川の岸辺へと降りられるポイントがあった。

山歩きと暑さですっかり蒸されてムクんだ足を冷やしたくなり水ぎわへと降りた。裸足になり石づたいに快適なポジションを探した。

腰かけながら流れに足をつけられる岩を発見。ヒヤリとした感触の流れが足をくすぐってゆく! 心地良さ200%!

そのまま岩の上に仰向けになると、真っ青な空から深緑の樹林が滝のように降りかかってくる。顔の上をすべる風も清爽で、つい不覚にも眠ってしまった。

目を開けると太陽の位置がずれており、時計を見ると40分近くも眠っていたようだ。よく川のなかに転げ落ちなかったものである。

変化に富む比地川の流れ

鋭気をとり戻し大滝目指して再出発した。 はずなのだが、前行程にも劣らぬ高低差の激しさで、途中何度か休むありさまであった。

休むたびにこの川の流れを鑑賞してみたが、実に変化の多い川で飽きのこない表情をいくつも見せてくれていた。

比地川は与那覇岳を源流として全長7.6 kを流れて東シナ海へと流れ込んでいる。

水量の多い川だから滝をつくったりしているが、場所によっては途切れそうなほど細い流れになったりして、小川のような風情も見せてくれる。

ほぼ後半には休みを取らずに大滝まで一気に歩き通したが、沖縄歩きに慣れた体力でも厳しい道行きであった。

大滝が見えてくると行程がきつかった分だけ、それなりの達成感が湧いてくるのだ。

小さい滝だが形はよく、遠目でも温雅な景観をしている。

岩場を伝いながら滝つぼ近くまで行ってみたが、落ちた清流が飛沫となって中空を舞っていた。陽を浴びた飛沫が輝き、マイナスイオン満開だ!

もっともマイナスイオンについて、効用の真偽を巡り学会で論争されているが、この際そんなことはどうでもいいのである。気を充溢させてくれれば、それだけで充分に効用はある。

片道に1時間弱かかる小旅行だが、確実に非日常感を味わえる貴重な大自然遊歩道であった。

            遊歩道の最終ポイント、比地大滝


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