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長期滞在旅行にはマンスリーやウィークリー単位で決める方が格段に経済的になるのは道理。2週間以内は少々高額でもフロントのオーシャンビュー、2週間以上は週単位のコンドミニアムと決めている。そんな信条から決めた今回のナムラ レジデンスに着いたのだが、中に入れない、だから最初のチェックインもできない。電話で予約確認した時、到着時間を聞かれたのでおおよその時間を答え、担当の詳細な説明を遮るように慌ただしく電話をきったような気がする。過去の経験から予約宿舎現地でチェックインできないことなど想定していないからだ。

ナムラ レジデンスの室内

携帯で連絡先を探していると1台の車がアプローチに入ってきた。車の中から声をかけてくれたのは、やはりナムラ レジデンスのスタッフだった。伝えておいた到着時間より早めに来てくれたのだが、こちらの到着が早すぎたようだ。スタッフが常勤しているオフィスは別の場所にあるとのことで、ゲストがチェックインする時にはフロントアプローチでスタッフが迎え入れるシステムだった。今後こちらを利用される場合、到着時間の打ち合せだけは正確を期すようお勧めする。

8階建てのマンションなのだが、周りにはあまり高いビルもなく、バルコニーからの視界を遮るものはない。室内も天井が高いせいか圧迫感は皆無。室内上部がロフトになっており、そこがベッドスペースだ。生活まわりのものはすべて完備されているから、チェックイン手続きさえ済ませてしまえばすぐにリゾート地でのアーバンライフのスタートだ。

”ナムラ レジデンス オキナワ” の詳細を知りたい方はガイドページへ。

冷たくおいしそうなアイスティーが運ばれてきた。窓から射し込む強い陽射しがジリジリと白いソファを焦がしているように見える。

「ザ・ブセナテラス ビーチリゾート」のホテルを訪問し館内を軽く廻ったあと、3階にあるこのティーラウンジの「マロード」に落ち着いたところである。


ホテルの正面玄関は海の反対側からになる。

そして正面から入館したメインロビーは本館の4階部にあたり、その中央部から北と南の両翼に客室棟が伸びる。

特に北への客室には渡り廊下の先にクラブラウンジがあり、アッパークラスのゲストのみが利用でき客室へとつながる設計になっていた。


最近ではすっかりクラブフロアを設けるホテルが世界的に普及しており、おおよそはペントハウスの最上階が充てられていることが多い。

こちらのホテルの北棟は岬先端方面であるため3方向が海という絶好の立地で上位クラスの部屋を用意するのも当然といえる。同じ北のエリアには贅沢なコテージまで備えていた。

メインロビーを突っ切ると海側を見下ろすテラスになり、一気に視界が広がる。プールは1階と2階に分かれており、時間帯により変化する日差しを好みのポジションで広く選択できる。

4階テラス(左) 2階プール(右)

また荒天でも泳げるように、そこそこの大きさの室内プールまで備えている。ホテル西側の前面には真っ白なビーチが広がり、専用ビーチのようにパラソルが並ぶ。そして海を満喫できるようビーチにはマリンハウスやビーチショップが何ヶ所もありサポート体制も完備。

リゾートホテルの良し悪しの基準は人それぞれにあると思うが、”上質な高級感”、”穏やかな精神を醸成するゆとりの大空間”、”従業員のトップクラスのホスピタリティ”そして”立地環境の景観”という条件は万人が求める共通要件と云える。

高級リゾートホテルに滞在する場合、観光よりも避暑やリラクゼーションに重点が置かれるので、ホテルからわざわざ外出しなくてよいほどの魅力がなければならない。

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筆者は、ハワイのマウイ島へ飽きもせず毎年出掛けていた時期があった。「カアナパリ」「ラハイナ」「キヘイ」など毎回地区やリゾートホテルを変えていたが、最終的には「ワイレア」で落ち着いた。その大きな理由が上記の要件を満たしてくれたのがワイレアの地とホテルであったからだ。

ちなみにホテル内の食事だけではやはり飽きてしまうので、夜の食事だけは夕景の海岸線をドライブがてら近隣の地元レストランまで出かけて楽しむパターンができてしまった。沖縄旅行が今回まで遅れたのもこのワイレアが原因だったかもしれない。

さて「ザ・ブセナテラス ビーチリゾート」の話にもどる。従業員の応対や設備・備品からおおよその見当がつくものだが、ワイレアにあるトップライナーのホテルと同質の匂いを感じたというのが素直な感想であった。

宿泊もせず食事すらしないのになぜホテルを訪問するかというと、近い将来”観光”でなく、”避暑”目的での再訪を目論んでいるからだ。これからいくつかのホテルを訪問するだろうが、ここは間違いなくホテル候補のトップライナーである。


「ザ・ブセナテラス(ホテル)」のガイドページへ

ビーチリゾートが多く集まる恩納村の海岸線。その海岸線のブセナリゾートから瀬良垣までを歩いたのはつい先日のことだった。今日はそのつづきを始めようというのである。

地図とにらめっこしながら本日の第一歩を万座ビーチに決め、一路バスに乗り万座の海を目指した。海沿いに走る国道58号線もこれで2度目になるが、景色をゆっくり眺められるバスの旅も悪くない。

バス停「万座ビーチ前」からすぐにビーチ入口にアクセスできた。入口はビーチというよりホテルの駐車場へのゲートのようである。

万座ビーチとホテル「万座ビーチリゾート」の全景

ゲートをぬけると左の西側が浜辺になった小さな岬であることが見て取れる。

その岬の先端部に建つ白色の大きな建物が「万座ビーチホテル&リゾート(2009年4月にANAインターコンチネンタル 万座ビーチリゾートとしてリニューアル)」で、立地環境が「ブセナリゾート」に酷似している。ゲートから入るとかなりの敷地の駐車場が前面に広がっていた。

駐車場をうかいしながらホテルの敷地内にはいるといきなりチャペルが現れた。チャペルを眺めながら回り込むと、今度はパターゴルフのハーフコースが出現した。このホテルはウエディングからゴルフまで何でもこなすらしい。

ゴルフコースをたどりながら歩いて行くと、左手にビーチと桟橋が見えてきたので一気に浜辺へ急いだ。浜へ出るとビーチラインは桟橋を挟み、まるで景観の違う浜辺が両側に展開していた。ホテル方面は整備されたのか白砂のビーチが250mも連なり、反対側は原風景なのか小岩がごろごろしたやや殺風景な海岸線に見える。

               桟橋からホテルとは逆の恩納村海浜公園に向かう海岸線

眼前の海は青色の濃淡をつけながら対岸に見える石灰岩の岸壁を越えてどこまでもつづいている。

海面から隆起したような岸壁が、これから訪れようとしている「万座毛」に違いない。

海上から20mはあると思われる岩礁で、長い歳月の侵食で個性的な形状に彫り上げられていた。

桟橋そばのビーチハウスで面白いものを発見した。マリンアクティビティーの案内や申込のサービス設備なのだが、その中に”スクーバBOB”という水中バイクがあった。まるで007の映画に登場しそうな乗り物ではないか。眺めているうち本気で試してみたくなったのだ。

ちょぼ旅を決め込み水着ひとつさえ持参しない気軽な旅装ながら、場合によってはビーチショップで買い求めるくらいの根性で係員を質問ぜめにしたのだが、結論から言うといくつかのハードルがあり断念。

別れ際に係員が言ったものだ、「この水中バイクは沖縄でもここしかないんです!」 心の中で思わずつぶやいていた、「So what ?」

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万座ビーチ(左) ホテルのビーチサイドプール(右)

遊泳ビーチを経由してホテルに着いた。大した距離ではないが、ホテルの建物から遊泳ビーチまでが少し離れていた。そのためかプールをふたつ設置していた。遊泳ビーチそばの”ビーチサイドプール”とホテル1階にある”ガーデンプール”だ。

ホテル内部は吹き抜けになっており、9層の客室フロアがコロシアムのように取り囲み、内部全景が眺望できるガラス張りエレベーターが2基、忙しく上下動している。

造りもサービス設備も家族向けの傾向が強く、実際に客層も子供同伴の家族連れが多く見受けられた。従業員も充分なホスピタリティをもって応対しており、お子様連れの家族も安心のホテルといえる。

しかし落ち着いた雰囲気のなかにも贅沢な高級感があり、静かで極上の休息時間を楽しみたい向きには、ブセナテラスの方をお薦めしたい。この万座ビーチリゾートにはチャペルからパターゴルフ、紅型教室まで揃い、メニューが多すぎるように感じた。

本当の休息に適したホテルは設備やサービスを出来うるかぎり絞り込みシンプルにしてメリハリをつけている。その方がかえって贅沢な時間を過ごせるようである。


「万座ビーチリゾート」のガイドページへ

いきなりだが水質検査のことから始めたい。筆者は東京在住なのだが、水辺好きがこうじてここ沖縄まで来ている始末。東京の隅田川が汚染されてから久しいが、しだいに回復してきたことを心から喜んでいるひとりでもある。

ときどき隅田川再生に尽力するNPOのエコボートに便乗したり、たまに水質検査用の透明な筒に入れた隅田川の水を覗き込んだりもするのだ。

最高水質のAAを誇るサンマリーナホテルのビーチ

だから水質検査という言葉を聞くと過剰な反応をしてしまう。

ここ恩納村の富着(ふちゃく)にあるサンマリーナホテル前のビーチは最高の水質だと云う。

毎年ビーチ開設には海開き前の5月頃水質検査を実施し、県ごとに報告するようになっている。

AA、A、B、Cの4段階でこれ以下は不適とされる。

このサンマリーナのプライベートビーチはAAにランクされていた。


平たく云うと、透明度1m以上、油膜や大腸菌群は一切無し、など厳しい基準をクリアしているということだ。日本にもこんな海があると思うと嬉しくなってくる。


プライベートビーチは人工整備されており、外海からの波を防ぐためか、小島のような堤が造成され遊泳者が安全なように内海が形成されていた。そしてその堤が海上遊歩道のように散策できるのである。さっそくぐるぐると廻ってみたが最高に心地よい海上遊歩となった。

屋外プールがプライベートビーチに接するほど近くに造られており、すぐ移動できるので使い勝手がよさそうだ。しかも広々と解放されたプールなので海岸線のパノラマ眺望が楽しめる。

ホテル周りの敷地内には鮮やかな緑色の芝が敷き詰められ、同系色のモスグリーンの”水”を湛えた池が大きく横たわる。

ホテルに足を踏み入れると内部は吹き抜けになっており9階上部まで見通せる。

1階のメインフロアの中央には一面 ”水”を張ったレイアウトのティーラウンジがあったのでひと休みすることにした。

このサンマリーナホテルは、いたるところに”水”を配した親水イメージのあるリゾートホテルだ。


運ばれてきたジュースのグラスから、氷をひとつ頬張りながら地図を取り出して眺める。先ほどまでいた谷茶ベイの「リザンシーパークホテル」から歩いてもすぐのところにある「サンマリーナホテル」だが海岸線の趣はかなり違う印象である。

このまま南下をつづけると先には富着ビーチ、タイガービーチ、ムーンビーチと、ビーチのはしごができそうである。そしてその先は仲泊(なかどまり)となり国道58号線が海岸線から離れ内陸部へとくい込み那覇へと伸びてゆく。陽はまだまだ高いのでなんとか仲泊まで歩けそうである。

小休止を切り上げたあと、参考のため案内カウンターよりルームレート(ルームタイプ別価格表)をチェックしホテルを離れる。

ヨットやクルーザーが係留されたマリーナ

ブセナリゾートほどの高級感や万座リゾートほどの派手な規模は無いものの、オーソドックスで落ち着いた好感のもてるホテルだ。

何よりもリゾートホテルの主役である ”海” が良く、その親水環境はかなりの高ポイント。

全室オーシャンフロントビューで、リーズナブルな部屋料は抜群のコストパフォーマンスというサンマリーナホテルだった。


ホテルを離れふたたび58号線に戻るべく歩いていると、ホテル敷地の南端に明るい陽だまりを囲うようなマリーナが出現した。

係留されている船は洒落た小型クルーザーやヨットばかり。漁業実用の船など皆無のリゾートらしい係船港で、ついついまたしてもショートブレークをしてしまった。

すっかり重くなった腰をあげ、道歩きに欠かすことのできない”i Pod”のスイッチをONにするとシャッフルで選曲されたのは「Against The Wind」。ボブ・シーガーの渋いボーカルが身体に流れ込んできた。

日暮れまでにはなんとか仲泊にたどり着かねば....ほんの少しだけ道を急ごう。


「サンマリーナホテル」のガイドページへ

浜漁港には行楽地にあるようなプレジャーボートのたぐいの姿は無く、係留されているのは漁船ばかりであった。半農半漁の島、「浜比嘉(はまひが)島」 らしく質実な表情の港である。

この島は「浜」と「比嘉」というふたつの村落で構成されているので「浜比嘉島」と称している。両地区とも漁港を有しているので、今度は比嘉地区の漁港を散策すべく東へ向かってみた。

静かな時間が流れる比嘉漁港

比嘉漁港も魚網が干されているありふれた漁港だったが、確かな生活臭が実感できる港でもあった。

地元では釣りのスポットだらけの島としてかなり有名らしいが、今のところ釣り人は見当たらなかった。

東への道の終わりには分かれ道が待っていた。

直進「ムルク浜」、右折「ホテル浜比嘉島リゾート」と記されている。

筆者の性向からして99% 「ムルク浜」へ向かうところなのだが、足は右の坂道へと動きだしてしまっていた。


坂道を登りながらも、我ながら頭の中には?マークが点るほど不可解な行動だった。記述している今にして思えば、単純に高所から島を見たいと潜在的に念じ行動したのだろう。

坂道を登るうちに建物が見えてきた。低層のテラスハウスのようなホテルだった。登りきってホテルの正面に立ち、しばらく呼吸を整えながら眺めていた。 まことに目立たない3層からなる普通の顔をしたホテルだった。

しかし、「それ以上でもなく、それ以下でもない」と主張する風情にとても好感が持てた。すぐに入館した。入口のアプローチもロビーも小さなつくりでさっぱりとしていた。同じフロアに設けられている喫茶ラウンジも小ざっぱりとしたディスプレイだ。

室内の照明をダウン気味にし、外光の加減でほどの良い明るさをつくっている。不思議なくらい温かく居心地が良い。

窓側の席をひとりで占有しアイスティーをオーダーしてみた。待つほどもなくチリチリに冷えたグラスがやってきた。

最初のひとくちが乾いた喉に快く、空間も時間も瞬間で豊かなものに変えてくれた。

席に荷物を置き少し館内を巡ってみた。展望台風呂まであるようだった。全体的にどこのセクション域も静かで落ち着いている。

従業員スタッフにもいくつかの質問をしたが、その応対は丁寧で、しかも必要以上の愛想を押しつけてはこない。

建物を見た時の印象通り、それ以上でもなく、それ以下でもないという絶妙な距離感を保っているように感じた。


ラウンジで涼をとったあとプールサイドに出ると、青い水を湛えた半月型のプールの向こう側にはさらに濃い青の世界が広がっていた。

見渡すかぎりの水平線が空に溶けてしまっていた。プールのそばに立っているだけで頭の中まで青色に染められてゆく。自然を多く残すこの島で、ひとときでも豊かでアーバンな空間が持てたことを素直に感謝した。

プールそばから 「ムルク浜ビーチ」 へと降りる階段があった。直感的な行動でホテルに来てしまったが結果的には大正解だったようだ。

このホテルから「ムルク浜ビーチ」を経由して「浜比嘉大橋」へ向かえばちょうどひと巡りできることになる。前面に展開する大海原を眺めながら、さっそく急勾配のその階段を降りる。

白砂のビーチに小型のきのこ岩がいくつも顔をのぞかせる変化に富んだ浜辺だった。沖合に見えるふたつの島はいずれも無人島で、左が 「浮原島」、右が 「南浮原島」であると教えられた。この浜から 「南浮原島」へと渡るツアー船があるという。

このビーチには訪問者の要望に対応できるようマリンハウスが設営されており、ほとんどの希望を満たしてくれる。マリンハウスでかき氷を食べたかったのだが、まだ「平安座島」を歩いていないので小休止はパスし、ちょっとだけピッチを上げる。

歩いて渡る浜比嘉大橋は最高だった。平安座島までの全長1430 mを飽きることなく歩き通すことができた。緑と青が混じり合う水面を滑りながら吹きあがってくる海風。反射する陽光が砕けたり、踊ったりしていた。

平安座島漁港

「浜比嘉大橋」は平成9年(1997)に完成したばかりの綺麗な橋。これでこの周辺で橋の架かっていない離島は、無人島を除いて津堅(つけん)島ひとつになっている。

平安座島に着くと橋のたもとには緑地公園があり、その向こうには漁港が見える。

港には魚網が干され、漁師は漁具の手入れに没頭している。見るからに自然体の漁港だった。

民家のある住宅地はこの漁港近くまでで、あとは巨大な石油タンクが島全体に広がっている。

この広大な石油基地を平安座島に造るにあたって、米国ガルフ社は見返りとして4.7k もの長大な「海中道路」を造設したという。

         平安座島の端までつづく石油タンク


林立する石油タンクの森を歩いていたら、隣りの島「宮城島」まで来てしまった。

ふたつの島をつなぐ橋は「桃原(とうばる)橋」という名だった。

島と島の海峡を結ぶ橋なので大きな長い橋をイメージするが、実際は町中に見られる程度の橋だ。

石油基地造成のため埋め立て整地をしたためか、島間の海峡は川幅くらいしかない。

橋のたもとに駐車した車があり、”おにぎり”の幟が風にはためいていた。


本日の予定していたコースはすべて歩くことができた。海中道路からの離島めぐりも終了に近づいてきたようだ。

軽食キャラバンのメニューに かき氷があったので一服することにした。キャラバンの主は大阪から移住してきた女性であった。関西弁はまったく影をひそめ、生気あふれる表情はすっかり島人になっている。

かき氷をかき込みながら眺める川のような海峡は、深い緑を湛えて湖のように静まりかえっていた。

   「桃原橋」から見る平安座島・宮城島間の海峡


「浜比嘉島〜ホテル浜比嘉島リゾート」のガイドページへ


《海牛》という生物をご存知だろうか。きっと《ウミウシ》と読み、磯の岩場でうごめく軟体生物を想像されたにちがいない。しかしここで云う海牛(カイギュウ)は大型の海洋生物を指し、人魚のモデルとも呼ばれる”ジュゴン”という海棲哺乳類のことである。

                       海洋博公園にいるジュゴンの兄弟分マナティー

ひと月ほど前に訪問した「海洋博公園」の一角にあった「マナティー館」にいたアメリカマナティーがこのジュゴンと同種の生物だ。

今や希少となった絶滅危惧種のジュゴンが棲むと云われる沖縄本島の「大浦湾」。

ジュゴン棲息海域としては、おそらく日本最後であろうと推定されている。

本島北部に位置する名護市の南東側、つまり太平洋に面した大きな湾である。

陸地に深く湾入した大浦湾の南側海岸域には米基地問題として話題をまいた辺野古(へのこ)の「キャンプシュワーブ」が占有し、湾岸北側は本島最大のリゾートと目される「カヌチャリゾート」で占められている。

建設予定になっている湾内米軍飛行場が及ぼすジュゴンへの悪影響を排除すべく、現在も地元民による抵抗活動が行われているようだ。

今回の目的地はこの大浦湾に接する一大リゾートエリアとして評判の高い「カヌチャ・リゾート」にした。ジュゴンの棲む今の海を目に焼き付けておこうというのが優先事項であったのだが、大浦湾を臨むには米基地のキャンプシュワーブは立入禁止なので、カヌチャ・リゾートから海を眺めることにしたのである。

名護市に入ってから国道329号線を東へと走るとすぐに大浦湾にぶつかった。大浦湾沿いのバイパスを北に走りながら何度か止まって湾を見学したが、長く駐車するところが無く、やはりカヌチャリゾートまで一気に行くことにした。

カヌチャベイ ホテル&ヴィラズのフロント棟

「カヌチャリゾート」の入口はすぐにが見つかった。ゲートをくぐるとだだっ広い駐車場が広がっている。

駐車後,ホテルメインフロントのあるフロント棟の建物に飛び込んだ。

そこで小休止を取りながら入手したリゾートエリアの全景マップをチェックすると、全域は80万坪にも及ぶ広大さであった。

大浦湾の海岸線はこのフロント棟の裏側に位置しており、窓からちらりほらりと海が見える。カヌチャリゾートの中心施設はかなりの高台、と云うより山合いに造成されたような高度の景観をもっているようだ。

リゾート施設も見学したいが、とりあえずは最優先事項の海を満喫したかった。ジュゴンの棲む海ながら簡単に出会える生物ではないので、そこは想像で補いながら海を眺めることにするしかない。

どうしても会いたい向きは、美ら海水族館そばにある「マナティー館」に行けば同種の生物”マナティー”が水槽の中で悠々と泳いでいるので足を運ばれたい。(トップの写真)

ジュゴンとマナティーの違いは尻尾の形だけなので風貌の大差は無い。しかしどこの誰がこのジュゴンやマナティーを人魚のモデルにしたのかと思うほど人魚のイメージからはほど遠い。よほど想像のたくましい御仁のようだ。

ジュゴンが出現しそうな青い海原の大浦湾、対岸の陸影は米軍基地キャンプシュワーブ

フロント棟の裏に出るとそこは小さなテラスで、前面には大浦湾のパノラマが展開していた。水上を疾駆する水上バイクが弧を描いている。

青く輝く海面の先には大浦湾南岸を占有する「キャンプシュワーブ」の米軍基地がかすかに見てとれる。久高島の透きとおるような青には及ばないまでも、やはり美しい海だった。

足元に広がる海岸線を見渡すと東側には白い砂浜とそばにはビーチサイドプールまで備えている。フロント棟の東には2連の低層ホテル棟 《アゼリア》《オーキッド》が斜面に張りつくように海を見下ろしており、全室オーシャンフロントの景観を約束しているかのようなゲスト棟だ。

ビーチへとつづくなだらかな坂道をゆっくり下って行くとプール沿いにパターゴルフのコースが見えてきた。このリゾートには本格的なゴルフコースもあり入口近くにクラブハウスがあったが、広域の敷地を最大に活用している。

カヌチャリゾート専用のビーチやビーチサイドプール

地球上の7割を占めている海、その深さと広さは測りしれないほどの体積になる。日本とインドネシアの間に横たわる10000mを超えるマリアナ海溝が最も地球で深いとされており、有人探査の潜航が一度成功したものの、いまだ謎のままである。世界一高いエベレストを逆さエベレストにしてもなお深いのである。

しかし地球のコアまではそのマリアナ海溝の630倍に相当する深さなのだ。マリアナより深い裂け目や深淵がいつ発見されないとも限らないほど未知領域を秘める海である。

同じ未知領域でも宇宙に比べ、海に抱く愛着やこだわりはつねに人類とともにあったように思う。そんな海にまつわる話はアンデルセンによる童話「人魚姫」を筆頭に日本の「浦島太郎民話」やギリシャの「セイレーン神話」など世界中に溢れており、有史以来人類が海にロマンを育んできた証左とも云える。

木陰で波の音を聞きながら、なぜか《引き寄せられてしまう海》にそんな理屈を当てはめていた。

山肌の斜面に建つ宿泊棟の「オーキッド」

1時間ほどだったが大浦湾の風景と潮風を心ゆくまで愉しむことができビーチを後にした。

坂道をふたたび昇って行くと、丘陵の斜面はホテルの宿泊棟でおおわれている。建物は低層だが白と青の彩色が輝いており、全室のバルコニーが行儀よく海を向いていた。

カヌチャリゾートのマップを取り出しじっくり眺めると、ここの施設は大きくホテルとゴルフ場の2つから構成されている。

宿泊用施設建物は、眺望のよい高層タワータイプから贅沢なヴィラタイプまで9つの宿泊棟が、広大な地域内の山や海を借景とした各所に点在していた。

ゴルフコースは宿泊棟の外側から包みこむように自然地形を生かして設計されているようだ。


その他の施設はありとあらゆるものに対応していた。ウェディング用チャペル、エステや健康のクラブ、リラクゼーション用スパ施設、マリンアクティビティーの多種プログラム、雨の日のことを考慮したのかビリヤードから卓球、伝統工芸工房まで用意されていた。そして10以上もの飲食施設がやはり広域に配置されている。

ホテルフロント棟に戻ると親切なスタッフのひとりからリゾート内のウォーキングコースを教えてもらった。ホテル推奨の3つのコースのうち、ブルーコースと呼ばれている海沿いのコースは意識せずに歩いてきた先ほどのルートだった。合わせてリゾート内での無料のトロリーバスが周回している情報も得た。

その結果、所要時間25分というリゾート内を一周する一番長いグリーンコースを歩いてみた。亜熱帯の花や植物にあふれた北部ならではの緑のコースであった。ゆっくり歩いたり付設の建物をのぞいたりの寄り道で40分近くかかってしまった。

途中にあった建物「アマハジショップ」内にあったカラオケや麻雀だけはいただけない。こんなリゾートまできてカラオケや麻雀などやる人がいるのだろうか。何でもあるより、何もない方がよほど贅沢な時間を過ごせそうな心持ちになってくる。

ゲストが敷地内から出ることなくすべての要望に対応してくれるリゾートホテルは他にもあるが、ここの最大の魅力はその領域の広さであろう。北部らしい広角の空と自然を舞台にしたさまざまな景観は確実に日常を忘れさせてくれる。

          ウォーキングコースの途中で撮ったスナップ


「カヌチャベイ ホテル&ヴィラズ」のガイドページへ


ジュゴンが棲むという大浦湾に面した「カヌチャベイ・リゾート」に別れを告げ、一路 那覇へと車を飛ばしていた。車道から照り返す陽が目を強く射てくるのでサングラスをつけた。

ロスで愛用していた POLICE のサングラスだ。 LAのフリーウェイは山脈をはさんで漢字の井の字に走っているので、走行中 真正面に真っ赤な太陽ということなどは当たり前。サングラスは必需品なのである。

東京でのスタイル優先のサングラスとは訳がちがう。逆光ひとつで命とりの事故が発生しかねない街だ。

ロスに3年も住めばサングラスのかけ時が身についてしまうものらしい。

今までいた「カヌチャベイ ホテル&ヴィラズ」のホテルつながりでホテルめぐりを思いついた。

陽が完全に落ちきるまでには優に3〜4時間はありそうだ。

さっそくMAPを広げて那覇までの帰りルート上にあるホテルをチェック。

結局訪問してみたいホテルの候補はふたつだけであった。恩納村と名護市の境界ぎわに建つ「オキナワ マリオット リゾート&スパ」 と 読谷村にある「ホテル日航アリビラ」 の2ヵ所。いずれもバス便だけの旅行では訪問がかなわなかったホテルである。

しかし宿泊ゲストでもない筆者のような物見高い訪問者、ホテル側にとっては実に迷惑な話である。とは云うものの、近い将来 短期滞在で泊らないとも限らないのだから、寛容な気持ちで受け入れてもらいたい。

亜熱帯植物に囲まれたマリオットの正面

幹線道路の国道58号線まで戻り東シナ海沿いを走っていると、まもなく「ブセナリゾート」のそばを通り過ぎた。

このリゾート内にある 「ザ・ブセナテラス ビーチリゾート」 はとても気に入っているホテルだ。そこからほどないところにあるのが 「オキナワ マリオット リゾート&スパ」。

「ブセナ〜」が海ぎわに位置しているのに対し、「マリオット〜」は58号線の内側つまり山側にあった。国道沿いの「かりゆしビーチ」から山肌を縫うように上る道を行くと高層の「オキナワマリオット」が現れる。

正面に近づくと15階造りの宿泊タワーに囲まれた低層の建物が迎えてくれる。メインフロントのあるその建物の外周には亜熱帯植物がこぼれるほどに溢れている。

高台からは東シナ海を一望できるが、いかにも海岸ビーチから遠い位置であることは否めない。

ホテルに入る前にとりあえず周辺を散策してみた。まず一番に目立っていたのがガーデンプールで、170m にも及ぶその長大さは県内一だという。海がやや遠いこともあって敷地内の水場として強くポイントを置いたのだろう。

ウォータースライダーなど水遊び三昧ができるこちらのプールはビジター OK になっていた。プールのそばには宿泊ゲストが利用できる「かりゆしビーチ」まで周回するホテルバスの発着所もあった。

その「かりゆしビーチ」は以前に恩納村の海岸線をバス旅行した折り、立ち寄ったこともある小ぶりの海岸ビーチである。「かりゆしビーチ」の旅ブログ(BLOG 39)

           のんびり水遊びができそうなガーデンプール

ロビーホールに入ると、空間をたっぷりとった大理石のフロアにはガラスに覆われた天蓋から陽が射しこみ心地よい照度になっていた。

ロビーフロアにあるラウンジで水分補給のひと休み。落ち着いたインテリアはマリオットホテルらしい水準のもので内装はまだまだ新しい。

現地に直に接触すると、宿泊してもいないが部屋のタイプも 享受できる空気感やサービスも おおよその見当はつくものだ。

メインフロントのあるロビーフロア

世界中にホテルを経営するマリオットを冠するだけあって、この沖縄でも平均点は高い。

しかし惜しむらくは立地の半端さだろう。

海から遠く、高台にあっても午前中訪問した「カヌチャベイ ホテル&ヴィラズ」ほど緑の自然に囲まれることもない。

そのかわり、魅力的な施設があった。《スパ》だ!


ドライサウナバス、ジェットバス、アロマバス、クールバスなど5種類のスパが揃う。このスパ施設もガーデンプール同様、ビジターの入場が可能だった。

1階にあるそのスパに、もののはずみで入場してしまった。いずれのスパも屋内というよりは戸外につながる意匠がされていた。ちなみに水着の着用が規則になっており、スパ用水着はホテルに常備されている。

さすがに夏の真っ昼間 スパ遊びは酔狂に過ぎると思ったが、とても広く大きな空の下で遊ぶスパは非日常感があって最高だった。このあとの計画をすべて取りやめ、一泊しようかと迷ったほどであった。



オキナワ マリオット
     リゾート&スパ

住所 名護市喜瀬 1490-1

電話 0980-51-1000

交通
 車
 那覇空港より 90分(国道58号線を北上−かりゆしビーチ右折)
 沖縄自動車道(高速)を利用の場合80分(許田ICから国道58号線を南下10分−かりゆしビーチ左折)   空港リムジンバスを利用の場合125分

 BUS 那覇BT105分(名護西線20番)−バス停 「伊武部」 下車7分


次の目的地であるホテル日航アリビラを目指して走っているが完全に迷ってしまった。読谷村(よみたんそん)に入ってからショートカットをしたくて幹線道路からはずれ細い道に進入したためだろう。

周辺は見渡すかぎりサトウキビ畑ばかりがつづいている。散々にてこずったあと、やっとホテル案内のサインを見つけて たどりつくことができた。半端な目測ほどあてにならないものはない。

              「ホテル日航アリビラ」の正面入口

ホテル正面では掲げられた旗が風に応えるように はためいている。

日本国旗に並んで たなびいていたのはニッコーホテルズの旗だった。

旗が掲揚されていてもそんな大仰な感じはなく、ほどのよい規模の白亜の建物が迎えてくれた。


車を駐車させ建物に入ったがロビーフロアに向かって伸びているホールウェイの佇まいが実によかった。丈の高いガラス窓から射しこむ光がホールウェイの照明だ。

ホールウェイにはホテルゲスト用のショップが並んでいる。


海岸側に出られるルートを探して歩いていたらショップの店頭に飾られたストローハットが目にとまった。

ガラス窓の外ではまだまだ衰えていない太陽が居座っているようだ。迷い無くその麦わら製の帽子を衝動買いしていた。

ようやく水がしたたっている小ぶりな噴水のある内庭に出ることができた。買ったばかりのストローハットをかぶり、ホテルゲスト用のビーチを目指し あたりをチェック。

綺麗に刈り込まれた芝で整備された敷地内の道を行くと、ところどころにハンモックがぶら下がっていた。

昼下がりの木陰でハンモックの午睡をとったら、さぞかし気持ちいいことだろう。


しかしどのハンモックにも それらしき人は見当たらずガラガラ状態で不人気のようだ。昼寝するには少々暑すぎるのだろう。夕涼みには最適の場所になるかもしれない。

内庭を横切ると道の向こうに海岸が見えてきた。

砂浜に出たので裸足になり、波打ちぎわまで行ってみた。

やや傾きかけた陽の光が海面に踊っている。透明度が高く水質も良さそうである。

きれいな遠浅の浜だが、磯に顔を出した岩礁など自然を多く残したビーチのように思われた。


ホテルの足元に広がるこの浜辺には「二ライビーチ」という名が付けられていた。浜辺にはホテルゲスト用のサンデッキチェアとパラソルが行儀よく並んでいる。

ホテル前に広がる自然の浜辺 「二ライビーチ」

偶然、ビーチで遊ぶ神戸からのご家族と話す機会を得た。ホテル日航アリビラに宿泊して3日目になるという。日に2度ある潮の干満で海の表情を大きく変えるこの二ライビーチを絶賛していた。

干潮時には少し沖の方にあるサンゴ礁まで行けて 磯の小生物にも出会えると、興奮気味に話す子供たちの顔も輝いていた。やはり自然の浜を生かしたビーチらしい。

南北150mにわたって横たわる「二ライビーチ」の南側にはビーチハウスがある。その前には砂浜に引き揚げられたモーターボートやジェットスキーが骨休みをしていた。

「二ライビーチ」の南側にあるビーチハウスではゲストのあらゆる希望に応えてくれる

ビーチハウスではあらゆるマリンアクティビティに対応しており、近くにある青の洞窟へのツアーもカバーしていた。

そこの女性スタッフから水質AAの海岸で県下でも10本の指に数えられる水質のビーチだとも聞いた。あらためてスニーカーを片手にぶらさげ、ふたたび波打ちぎわへと....ぬるい波が足を洗ってくれる。

たしかにかなり先の水中も見通せるほど澄んだ海であった。真西に面したこのビーチの夕焼けは素晴らしい景観になることだろう。

アリビラ・グローリー教会のアプローチ

ラウンジで休憩をとホテルへの戻り道、小奇麗な教会に出くわした。

尖塔のようにとがった教会だ。アプローチの階段には可愛らしい天使の石像が並んで出迎えてくれた。

リゾートホテルお約束のウエディング用教会と思われた。しかし わざとらしさもなく自然な風が好印象の教会だった。

教会のあとホテルの敷地内に入るとすぐに現われたホテル棟ウエストウイングだったが、左手にチラッと見えたプールを見学するためわざわざ回り道をしてしまった。

このガーデンプールにはそれなりの数のゲストがあちこちに点在していたが、騒がしさは微塵もなくゆったりとした空気感が漂っている。

特別変わったレイアウトのプールではないが、一部 児童用のためか段差のない斜度をつけた縁取りの水槽プールもあった。

          木橋の架かるガーデンプール

見るからに居心地がよさそうで、亀でも猫でも楽に泳げそうなプールなのである。

泳ぐというより水浴びをしたくなるような優しげな風景だった。

ホテル内のラウンジにつく頃にはすっかり身体が干上がっていたのか、冷たいジュース2杯を一気に飲みほしてしまった。

ラウンジでくつろぐうちに気だるい疲労感が身体の隅々まで溶けてゆく。

今日は朝から辺野古(へのこ)の大浦湾に始まり、途中からホテルめぐりとなり長い一日になった。

途中《スパ》まで利用したのが効いてきたのか、だるさが倍加してきた。

椅子も座り心地が良く、しばらくは動けそうになかった。


「デルスウ・ウザーラ」の本に夢中になってしまった。黒澤明が映画化した原作本だ。アルセーニエフの筆の力は時間を忘れさせてくれる。

窓の外に目をやると、陽が急速に衰えてきていた。「二ライビーチ」がどんな夕景を見せてくれるのだろう。東シナ海のサンセットを鑑賞しながら帰路につくことにした。

赤く染まり始めた噴水の内庭へと出た。



ホテル日航アリビラ

住所 中頭郡読谷村字儀間600

電話 098-982-9111

交通
 車 那覇空港より 60分(国道58号線を北上−伊良皆(いらみな)の信号左折−県道6号線 大当(うふどー)の信号を過ぎ左折−右手に案内板)

空港リムジンバスを利用の場合80分



ガイドページ


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