糸満市街

海人(うみんちゅー)の港町

糸満市街地のほぼ中心にあるロータリーだが、ひっそりと静まりかえっている。しかしこの静けさは普段通りの姿で、周りに観光地のような派手なものは何ひとつ見当たらない。

このロータリーからちょうど東西南北に道が4本延びていて、西に行けば糸満市場を抜け糸満バスターミナルでこの西の道は終わる。つまり糸満港にぶつかるのだ。

東への道は県道77号線で八重瀬町、玉泉洞方面。南北に通る道は幹線の国道331号線で、北は那覇空港方面、南は南端の喜屋武やひめゆりの塔へ向かう。

広く周辺を捉えても、北と南にそれぞれ大きな公園を有しているくらいのものである。

北に球場や室内温水プールなどを備えた 「西崎運動公園」、南には 「ロンドン杜公園(ろんどんもりこうえん)」。


ロータリーに接するような高台があり、その頂上部に公園のような一画があるが公園の名はない。古くよりこの一帯を土地の人は「山巓毛(さんてぃんもー)」と呼んでいる。そこからは糸満市街地が一望でき、旅行者には絶好の休息ポイントになる。高台は石灰岩丘陵で生成され、岩肌には植物の緑がおおい、街中にある一画などとは思えないほど癒しを与えてくれる。

またこの一角には墓が数基ある。その昔、まだ琉球が統一されていない群雄割拠の時代の話だが、南一帯を領していた南山王”他魯毎(たるみい)”が中山王”尚巴志”(後に琉球を統一)に攻められ自害した場所とも伝わっている。

ロータリーから西の道へ行くと、すぐ右手に漁港がある。糸満は農業も盛んだが、海人(うみんちゅー:漁師)の町と云われるほどの本格漁業町。昔から続いている糸満漁民の祭 ”ハーレー” も観光でなく正統な神事として実施されていることで有名。

”ハーレー”(ハーリーとも云う)とは大漁と安全を願い竜舟競漕する神事である。判り易く表現すれば ”600年前から伝わるレガッタ競技” と云えば、おおよその輪郭が想像できるだろう。糸満はすべての行事を旧暦で実施するので、ハーレー祭事も旧暦の5月4日(新暦5月下旬〜6月上旬)に、ここ糸満漁港を舞台に繰り広げられる。


漁港には網を修理する漁師の姿があったり、漁船がもやっていたりと沖縄漁港の風情を味わえる。港内を堤沿いに北に歩けば ”ハーレー” のレース距離感を足で実感することもできる。

その漁港の北の端から右に歩けば「白銀堂神社(はくぎんどうじんじゃ)」がある。古い沖縄民話として残る経緯で生まれた神社なのでご神体は無い。前述した「山巓毛」と共に”漁業漁村の歴史文化財産百選」に選定されている。

さてもう一度ロータリーからの西道路に場所を戻そう。つまり漁港の入口のあった所だ。漁港の前に糸満公設の中央市場がある。那覇の公設市場ほど規模は大きくないが、びっしりと市がたっている。

”赤ミーバイ”、”おじさん”をはじめ本土には見られないチヌや色とりどりの魚が並ぶ。他にも野菜、果物、魚などその場で揚げる てんぷら などの惣菜、法事・祭事での菓子と餅、豊富に顔を揃える。

不思議に思ったら素直に質問しよう。多少言葉でとまどうかもしれないが、みな親切に答えてくれる。珍しい菓子を片手に回遊するのも、旅の楽しみのひとつ。ぜひこの市場でお試しあれ。


「糸満市街」の旅ブログページへ


糸満市中央市場

住所 糸満市糸満989−82
電話 098−840−8137 糸満市商工水産課
施設 駐車場 10台
営業時間 5:00〜22:00 (4月1日〜10月31日)
        5:00〜21:00 (11月1日〜3月31日)
休日 日曜

交通 那覇空港より 20分(国道331号線を南下−糸満ロータリーを右折
       −スグ左側
   BUS 糸満市場入口からスグ