垣花樋川 −かきのはなひーじゃー−

日本で最南の名水100選がこの湧水の泉



水は万物の源と云われ、生あるものに欠くことのできないものとして尊重されてきた。沖縄も四方を海に囲まれた島特有の真水の確保に苦労してきた歴史を持つ。本土に較べ沖縄における節水感覚ははるかに高い。

だから沖縄本島にはおびただしい数の共同井戸(かー/がー)や樋川(ひーじゃー)が点在する。中でもこの垣花樋川という湧水場は名水で名高く、先人より大事に守られ継承されてきている。

この湧水場までのアプローチは現在ふたつあり、昔ながらの急坂の石畳道と最近造成された楽な遊歩道でゆくルートである。前者のルートは県道137号線の垣花からゆく正統なアプローチ。後者は同じ137号線の少し南にある仲村渠(なかんだかり)から入ればすぐに見つかる楽なアプローチ。

左写真:この案内板の右側が駐車場(3台分) 中央写真:垣花樋川への坂道入口、ケーブルのように見えるのは送水管 右写真:急坂の石畳が100m以上も続く、右に見える切石台は休み石として利用


初めての訪問ならぜひ往時から利用されていた石畳の坂道コースをお薦めする。ただしかなりの体力と上り下りに際し足元の注意が必要になる。敷き詰められている琉球石灰岩が水に濡れると滑りやすいこと、そして凹凸があるので歩きにくいことを念頭に皮靴やハイヒールなどは避けたい。

石畳の坂道は樹齢を重ねたアカギやガジュマルの樹木で覆われ薄緑の回廊をつくっている。100m以上もあるこの坂道の途中には休み石が2か所あり、きつい上りにはありがたくも優しい休息場になっていた。長い坂道に横たわる太いケーブルは下の湧水場から上の民家集落へと繋がる送水管である。

坂道を下りきるとまるでトンネルを抜けたように視界が広がり、小高い斜面の一角に溢れる清水が音を立てている涼しげな湧水場が現れた。そこはなだらかな斜面に造られた広場のような空間だが、広場を縫うように水が流れ、清水を湛えた小池に注ぎ込んでいた。


山の中腹斜面から湧き出る清水を生活用水として古くより活用してきた垣花樋川には、男子のみ使用が許されていた”男川”、女子が使用できる”女川”、両川から流れ出た水が溜る小池のような水だまり”馬浴川”。昔はこの小池で馬に水を飲ませたり洗っていたが、今は子供たちの水遊びの場となっている。時々大人たちも遊んだりしている。この3つを総称して土地の人は”下の川(シチャンカー)”と呼ぶ。

この場所は長い坂を下ったにもかかわらず前面に太平洋を展望できる高所であった。目の前の斜面には一面クレッソンの棚田が広がり、海岸から小橋で繋がった小さな”アーヂ島”が見える。海岸線は空と海が一体となり様々な青が幾層も重なっている。

垣花樋川は単に名水百選にとどまらず、癒しの場所としては沖縄でも有数のスポットと云える。

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垣花樋川

住所 南城市玉城字垣花812
電話 098−947−1100 南城市観光・文化振興課
施設 施設らしきもの無し/駐車場3台(坂入口そば・無料)

交通
    那覇空港より 40分(国場から与那原町経由南城市を目指す
     −県道137号線を垣花まで)
   BUS 那覇BTから50分(百名線39号)−バス停 「垣花」 徒歩20分