中城城跡 〜 中村家住宅


琉球戦国時代を駆け抜けた豪勇、護佐丸が散った城
                                                        中城城跡 −なかぐすくじょうあと−


正門入り口(上中央)、西の郭から見た城壁(上左)、最上部からの西の郭方面(下左)、鍛冶屋跡のある南の郭外観(上右)、
カンジャーガマと呼ばれる鍛冶屋跡(下中央) 

標高約160mの丘陵上に築かれた名城である。東部の絶壁断崖をはじめとした最高の自然要害を備えた山城だが、その城郭の美しさにも定評がある。

国から指定されている城郭面積は4300坪もあるが現在は1000坪ほどが復元され端正な城壁の姿が再現されている。沖縄でも現存するグスクの中では往時の状態がよく保持され、遺構ももっとも多く残されている城である。

世界遺産に指定された5つのグスクのうち、今帰仁(なきじん)城、座喜味(ざきみ)城、中城(なかぐすく)城の3つに棲んだのが護佐丸という名の武将で、彼は琉球三山時代の激しい戦国期を逞しく生きた英傑であった。

名築城家としても高名で、この中城城も彼の手で増改築され城としての完成度を極めた。稀代の戦国大名であった護佐丸も、遂にこのグスクが終焉の場所となってしまった。

中城城は一番高所に正門があり、そこから順にめぐりながら降りると出口に出るという構造である。正門の右脇にはカンジャーガマと呼ばれる鍛冶屋跡が残されている。正門を抜けると目の前には西の郭と名付けられた細長い広場が北の郭方面へと伸びていた。

右手には南の郭へ上る石段があり、それを上がりきると拝所が数か所設けられた南の郭へと入る。そしてその場所よりもう一段の高みへと昇る石段があり、それが一の郭へとつづく階段だ。

一の郭の正殿跡(上中央)、北の郭の城壁際には湧水所のウフガーへ降りる穴が(上右)、観月台(下右)、場内に何か所もある拝所のひとつ(下中央)、裏門の見事なアーチ(下左)

城内で最大の広さを持つのは兵馬訓練としても利用されていた西の郭だが、一の郭はそれに次ぐ大きさである。その一の郭南側には”観月台”と呼ばれる絶景の風景を愉しめる場所があり、かの護佐丸も宴を催し愛でたという。

一の郭ではどの城壁からの眺望も素晴らしく、遠くには本島南部の知念岬まで遠望できる。東側の小高い場所には正殿跡の案内板が立っており、往時にあった城の様子が容易に想像できてしまう。

一の郭から二の郭へは郭壁に設けられたアーチ門で連絡しているが、三の郭には直接行けない造りである。この三の郭は護佐丸が城主となってから新造されているので、彼なりの考えで防衛戦略上 連結しなかったのだろう。

一度西の郭に出て北の郭に入らないと三の郭にはたどり着けないのである。変化に富んでいるのはその造りだけではない。城壁の石組み、つまり石灰岩の積み方もバラバラなのである。南の郭は野面(のづら)積み、一と二の郭は布積み、北の郭と三の郭は相方(あいかた)積みといった具合で、見ていて飽きることがない。



護佐丸ゆかりの豪農が残した300年前の古民家 中村家住宅 −なかむらけじゅうたく−

中城城跡から真北へ直線距離にして650m、その位置にあるこの中村家住宅は300年近くにわたり維持されてきた古民家である。静かなたたずまいの中にも凛とした風格を見せる屋敷だ。

建て坪100坪ほどなのだが、実際以上の大きさを感じさせる重厚さと風合いを持つ。一部本土における鎌倉・室町時代の建築様式も見られる一方、農家の特徴である畜舎の併設や高倉の付設など琉球民家建築のすべてが集約された住宅である。

母屋の座敷で奥の一番座(客間)から手前の三番座(居間)まで(左下)、高倉と母屋外観(中央上)、アシャギ 離れ座敷の裏庭(右)

中村家の先祖は、理由はいまだ判然としていないが中城城主の護佐丸と行動をともにしている。護佐丸が城替えになり、1440年に座喜味城から中城城へと移住した折、やはり同じようにここに移住したようだ。

そして護佐丸の死去のあと、やはり一家は離散している。しかしこの現存している中村家の住宅は、子孫一族が250年ほど後の1720年頃に地頭に任ぜられ復興した折に建築したものである。


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中城城跡

住所 北中城村字大城503

開城時間 8:30〜17:00(〜18:00 6月〜9月)

入城料
 大人300円 中・高校200円 小人100円

問合せ 098−935−5719

交通 車 那覇空港より 60分(国道58号線を北上−
       伊佐の信号を右折し県道81号線へ−石平交差点右折−
       信号二つ目を右折して10分ほど)



中村家住宅

住所 北中城村字大城106

利用時間 9:00〜17:30 無休

入場料
 大人500円 中・高校300円 小人200円

施設 休憩所(お茶+黒糖サービス有)・お土産ショップ
     駐車場無料

問合せ 098−935−3500

交通 車 那覇空港より55分(国道58号線を北上−
       伊佐の信号を右折し県道81号線へ−石平交差点右折−
       信号二つ目を右折して6分ほど)